県立ささやまの森公園 (篠山市川原、 井口剛公園長) が7年前からマツタケ再生事業として、 マツタケの生えやすい環境づくりを進めてきた園内の施業地で、 今年ついにマツタケが発生。 10月23日までに計19本を数えている。 同公園のボランティア有志が中心となり取り組んできたもので、 再生事業開始から毎年、 欠かすことなく作業を続けてきた。 マツタケ再生の夢を追い続けてきたボランティアのひとり、 脇塚陸さん (68) =宝塚市=は、 「今回の結果から、 以前マツタケ山であった場所なら、 手を加えると復活するという確信が得られた」 と話し、 喜んでいる。
マツタケ施業地は、 公園事務所から徒歩約20分のところにあるアカマツ林の中に2カ所あり、 面積は2平方キロメートルと1平方キロメートル。
今月17日にかたまって10本生えていたのを確認して以降、 次々に発生。 なかには、 高さ約20センチ、 傘直径約13センチ、 軸直径約5センチ、 重さ303グラムにも達した特大サイズもあった。 地元の小売業者によると今年は例年並みの取扱量で、 24日現在、 傘が開いていないつぼみの状態で品質が良ければ、 キロあたり約10万円という。
川原集落に昔から暮らす男性 (74) によると、 同公園の山は、 もともとマツタケ山としてにぎわった場所のひとつ。 約40年前をピークに収穫量は年々減少しているものの、 20年ほど前でも、 集落全体のマツタケ山入札額は800―1000万円にのぼったという。 「そんな素質のある場所で、 もう一度、 当時のにぎわいを復活させてみよう」 と同公園事務局がボランティアに声を掛け、 2004年、 賛同した20数人で 「マツタケ施業班」 を結成した。