丹波市 (介護保険課0795・74・0368) は、 認知症高齢者などを地域で見守る体制づくりを進めようと、 行方不明者が出た場合に地域が協力して発見に至る手助けをするシステムづくりを模索している。 行政、 警察、 病院、 サービス事業者、 民生委員らで 「早期発見SOSシステム推進会議」 (30人) を組織。 新年度から運用を始める予定で、 どのような連絡体制をつくればよいかを検討している。
市は以前から、 認知症に対する正しい理解者を増やそうと、 集落や小学校区、 老人会、 小学生などを対象にした講座を開いており、 認知症の人を地域で見守る重要性を広めてきた。
そこへ昨年4―11月にかけて、 市内で行方不明者が遺体で見つかるという事案が相次いだ。 市によると、 行方不明になった8人のうち、 7人が65歳以上の高齢者で、 うち5人が遺体で見つかった。 これを受け、 早期発見につなげる連絡体制の必要性が高まったという。
SOSシステムは、 警察の捜索を補完する位置付け。 日常業務の中で市内を移動することの多い従業員がいる事業所などを 「協力店」 として登録し、 1人でまちを歩いている高齢者などを普段から気にかけてもらう。 今後の協議では、 個人情報管理の問題から、 行方不明者の情報をどの範囲まで、 どのような手法で流すのか、 などがポイントになるという。
市介護保険課は、 「認知症の人は、 いつも歩いている道から何らかの原因で外れてしまった途端にパニックになり、 帰り道が分からなくなるという。 例えば、 近所のお地蔵さんまでと、 目的をもって歩いているうちは地域で見守ってもらい、 様子がおかしい時に声をかけてもらえるような体制が作れれば」 と期待している。
介護認定申請時の医師の意見書をもとにした推計値 (昨年9月現在) によると、 市内には約2000人の認知症高齢者がいるという。 高齢者人口 (65歳以上) は約1万9000人で、 高齢者の 「10人に1人」 の割合。