篠山市殿町に本社のある、 株式会社丹波きのこ園 (本田昌由社長) がこのほど、 同市風深の市有地約4800平方メートルを買い取った。 今秋から菌床シイタケを年約300トン生産する 「風深きのこセンター」 (仮称) を建設し、 地元から約40人を雇用する計画。 開会中の市会で3月補正予算の財産収入として売却額約4300万円を計上している。
同社は、 25年ほど前からシイタケ栽培を手がけてきた本田社長が、 指導先でもあった殿町の栽培者が廃業したのを引き継いで2008年に開業した。 シイタケ栽培に適した東北地方のクヌギやコナラを使ったブロック状の培地 「菌床」 で高品質なシイタケを生産。 営業担当の東京支社のほか、 東北を中心に全国で7カ所の事業所や栽培ハウスを擁し、 2カ所で事業所を計画・建設中。
全体で年間1440トンを生産。 殿町の本社 (従業員46人) は、 約6000平方メートルで栽培ハウス9棟、 出荷施設1棟を構え、 年間240トンを生産する。 奈良県の青果市場や大手スーパー、 スーパーフレッシュさとう (篠山市黒岡) に卸しているが、 さらに需要が増えているためにきのこセンターを建設する。
風深の市有地は以前、 「エノキセンター」 と呼ばれる工場や、 食品加工会社に使われていたが、 現在は未使用。 旧エノキセンターの建物を、 菌床にシイタケ菌を植菌して90日間培養する 「培養棟」 に改築。 他の施設は解体し、 菌床を育て、 シイタケを収穫していく 「栽培棟」 10棟を建設する。 地元から、 正社員5人を含む40人程度 (身体の不自由な人を少なくとも2人) の雇用を計画している。