「避難者に勇気と希望」 原発被災地二本松に寄贈 仏版画家・観瀾斎さん

2012.02.26
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 丹波市市島町神池に工房を構える仏版画家の観瀾斎さんが2月23日、 福島第1原発の放射能汚染と闘い続ける福島県二本松市に、 東日本大震災被災地の復興を祈念して制作した木版画作品「阿吽(あうん)の双龍」(1・8×4メートル)を寄贈した。 市役所1階ロビーに展示した三保恵一同市長は、「市民をはじめ当市に避難されている多くの方々に勇気と希望を与えてくれるものと確信している」 と謝辞を述べた。

 同市は、 福島第一原発の北西に位置する。 原発から半径32キロ圏―70キロ圏まで東西に広がっている。 町の全域が警戒区域に含まれる浪江町の臨時役場があり、 仮設住宅で多くの避難者が暮らしている。

 昨秋、 同作品を含む版画展を東寺で開催。 展覧会終了後、 エネルギーあふれる龍を被災地に納めたいと考え、 納め先を探していた。 東寺展を訪れた同市の関係者が市長に声をかけ、 市長が 「是非受け入れたい」 と2月初旬に観瀾斎さんに直接電話をし、 話がまとまった。

 作品と共に現地入りし、 贈呈式に臨んだ観瀾斎さんは、 「復興の力になり得ると、 作品を受け入れてもらい、 作家冥利に尽きる。 龍のエネルギーを感じてもらえれば」 と話し、 三保市長は 「制作にあたっての観瀾斎さんの心情に、 原発事故被災地として頭が下がる思い。 ご縁とはいうものの、 双龍が二本松に飛来してくれたものと思い感激している」 とコメントした。

  

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