丹波市柏原町上小倉の苅野神社の祭神として祭られている葛原親王 (かずらはらしんのう、 786―853) は、 平清盛ら平家一門を生んだ 「桓武平氏」 の先祖にあたることが、 地元の飯谷幹夫さん (74) の調べでわかった。 NHK大河ドラマで 「平清盛」 が放映されている折、 「平氏と関係のある神社とは知らなかった」 と、 地元でちょっとした話題になっている。
葛原親王は、 桓武天皇の第3皇子。 神社庁によると、 皇族を祭る神社は珍しく、 全国の神社約8万社のうち、 葛原親王を祭っているのは、 岐阜や神奈川県などの11社のみで、 関西では苅野神社が唯一という。 同神社本殿は市指定文化財で、 白馬に乗っている若き葛原親王の像が納められている。 宝暦13年 (1763)、 京都の彫刻師が制作した。
同地区の領主だった葛原親王は、 学問に明るく、 福岡・大宰府の長官 (太宰帥) など朝廷でも重職を任されていた。
天長2年 (825) には天皇に願い出て、 自分の子どもたちを皇族から離し、 「平」 姓を名乗らせた。 この子孫が、 桓武平氏。
飯谷さんは 「葛原親王が桓武天皇の皇子であることは前から知っていたが、 まさか清盛の先祖だったとは」 と驚いていた。
写真・白馬に乗った葛原親王の像