丹波市のNPO法人えこあーす丹波 、 市島町有機農業研究会 ら5団体がこのほど、 東日本大震災被災地のがれきの受け入れに反対する要望書を、 辻重五郎市長宛てに提出した。 市は、 がれきの受け入れに関し、 「保留」 との考え方を示している。 文書による、 がれきの受け入れ反対の要望は初めて。
要望書によると、 放射能に汚染されたがれきを受け入れ、 焼却した場合、 ▽放射能が拡散し、 丹波が誇る農作物や観光における風評被害は避けらない▽子どもや焼却施設で働く作業員の健康被害がおきるのではないかと非常に不安―などと指摘したうえで、 「被災した方を丹波市で受け入れるなど、 直接的な支援をしていきたい」 としている。
えこあーす丹波の松山理事長は、 「放射性物質や有毒物質を拡散させないのが原則。 丹波では、 被災者を受け入れたり、 汚染されていない食料を提供するなどの支援をすべき」 と話している。
市生活環境部は、 「がれきの受け入れは、 まず市が自信と責任をもって 『安全だ』 と判断できなければならず、 その上で議会や市民に説明しなければならない。 現状では、 その判断をする材料がそろっていないとみている」 としている。
◆誤情報流れて電話1日30本
丹波市生活環境部によると、 野田佳彦首相が4月7日、 県立柏原病院を視察した後、 丹波市が被災がれきの受け入れを検討しているといった誤った情報がツイッターなどで流れ、 市内外から受け入れ反対を要望する電話が4月25日ごろをピークに、 1日に30本近くあった。
市のホームページに 「保留」 とする考え方を掲載してからはおさまったといい、 同部は、 「電話で考え方を説明すると、 現状は理解してもらえた」 としている。