篠山市東新町出身のプロボクサーで、 スーパーフライ級日本ランキング2位の角谷淳志選手 (27) =金沢ジム=が7月22日、 神戸サンボーホールで同級チャンピオンの帝里木下選手 (27) =千里馬神戸=とのタイトルマッチに挑戦したが、 判定の末、 1―2で敗れた。 初めて挑んだ王座戦にふさわしい激闘を繰り広げ、 敗戦にも地元、 篠山の応援団から万雷の拍手を浴びた角谷選手。 試合直後は、 「めちゃくちゃ悔しい。 応援に来てくれた人に申し訳ない気持ちでいっぱい」 と首を垂れる場面もあったが、 「次があれば、 絶対に勝ちたい」 と前を向いた。
角谷選手は序盤、 サウスポーの帝里選手に、 距離を保ちながらボディーでけん制するスタイルを取ったが、 打ち合ってからの離れ際や、 バランスを崩した瞬間にパンチを決められる場面があり、 4ラウンド (R) には左ストレートを浴びるなど劣勢に立たされた。
それでも、 5R以降は相手の動きにも慣れ、 フットワークを使いながら、 果敢に打ち込むように。 右ストレート、 左フックのコンビを叩き込むなど、 互角の試合を演じ、 パンチが決まるたび、 応援席から大歓声が巻き起こった。
しかし、 互いに決め手を欠いたまま最終10Rまでもつれ込み判定へ。 ジャッジ2人が97―94で帝里選手、 1人が96―94で角谷選手となり、 涙をのんだ。
アマチュア戦績80戦65勝、 プロ入り後も15戦無敗というチャンピオンは、 さすがの冷静さとテクニックを持ち合わせており、 角谷選手は、 「とてもやりづらい相手だった。 慣れてから攻めようとしていたが、 慣れる頃にはポイントで負けていた。 強さよりもうまさに負けた」 と振り返る。
トレーナーの冴城辰弥さん (36) は、 「この日まで練習してきたことを本当によく出してくれた。 勝てなかったのは角ちゃんのせいではなく、 自分の責任。 次こそ、 絶対に勝たせてやりたい」 と再起を誓う。
新調したトランクスには、 「篠山KAKUTANI」 の字が染め抜かれ、 文字通り、 篠山からの応援を背中に受けて戦った角谷選手は、 「みんなの応援がすごく力になった。 またがんばるので、 応援よろしくお願いします」 と話していた。
写真・チャンピオンを相手に果敢に拳を繰り出す角谷選手(左)=神戸市で