ふるさとの味、 全国へ―。 ふるさとの名産品などのカタログ販売に力を入れている郵便局が、 大山地区の伝統食 「とふめし」 を商品の一つとして全国販売する計画を進めている。 篠山市大山新の 「コミュニティキッチン結良里 (ゆらり)」 (森本淑子代表、 18人) が製造販売している 「とふめし」 で、 篠山、 丹波の両市をはじめ、 三田、 川西、 宝塚の5地域107局で取り扱う方向で検討しており、 今秋からの販売を目指している。
結良里はこのほど、 「とふめし」 の商標登録を済ませ、 「より手軽に 『とふめし』 を味わってもらいたい」 との思いから、 2合分の 「とふめし」 が作れる具材が入ったレトルトパック商品を開発 (650円)。 この取り組みを知った地元、 大山郵便局の小前扶元 (ふもと) 局長が、 「地場産業の活性化に郵便局が一翼を担えれば」 と、 「とふめし」 の商品取り扱いを結良里に打診。 結良里も販売ルートを模索していたことから、 「願ったり叶ったり」 と快諾した。
実現化に向け24日には、 同市大山上の老人憩いの家 「神田荘 (こうだそう)」 で、 「とふめし」 の試食説明会が開かれた。 小前局長の呼び掛けで集まった篠山、 城南、 古市、 西紀の郵便局の局長を前に、 結良里のメンバーが 「とふめし」 を振る舞い、 レシピや歴史を紹介した。 局長らは、 炊き立ての 「とふめし」 をほおばりながら、 「うーん、 うまい」 「懐かしい、 おふくろの味やね」 などと感想を述べ、 中にはお代わりをする人もいた。
森本代表は 「栄養豊かで、 地元の安心安全な食材を使った『とふめし』をこれからの時代を担う全国の若い方々にぜひ食べていただきたい」 といい、「『とふめし』 とともに、 ふるさと『大山』の素晴らしさと名前が広まっていけば」 と期待している。
問い合わせは、 結良里 (079・596・0052)。水、 日、 祝日定休。
【とふめし】木綿豆腐をゆでてつぶし、 ゴボウやニンジン、 油揚げを細かく刻んだものに、 サバの水煮を隠し味として加えて、 一緒に醤油でいためる。 それらを白米と混ぜ合わせて作る混ぜご飯で、 大山地区の3集落 (長安寺、 町ノ田、 大山新) に約120年前から伝わる伝承料理。 古くは長安寺の 「講」 の際に振る舞われてきた。 「人の集まるところに 『とふめし』 あり」 と言われるほどで、 今でも運動会や冠婚葬祭などでは必ず登場するという。 10年ほど前からは、 小学校の給食の献立にもなっている。