篠山市に移住した青年たちが、 同市遠方の民家の空き家を、 都市住民と一緒に利活用するグループ 「つなぎ村」 を結成。 今秋からの受け入れの準備を進めている。 周辺部で進む過疎化を、 少しでも食い止めようとするのが狙いで、 さらに篠山市への移住促進にもつなげたい考えだ。
発起人は、 篠山市東岡屋で木工製作・販売の 「ナチュラルバックヤード」 を営む足立伸也さん (38) と、 大阪府出身で北海道に18年暮らしていた農業、 神谷圭治さん (41) の2人で、 いずれも篠山が好きで移住した。 遠方でひとり暮らしをする水口敏子さんと話す機会があり、 「代々受け継いできた田畑が守れないし、 小屋や蔵が荒れ果ててきた」 などの悩みを聞いた。
遠方を訪れた2人は、 清流で遊べる川辺や、 キャンプ場、 豊富な山菜、 豊かな自然などの地域資源が、 都市部住民にとっては 「宝の山」 にうつると感じた。 都市部の人にとっては、 「心の豊かさ」 を感じる場所に、 また、 水口さんや遠方にとっては、 休耕田や空き家対策につながる、 と感じた。 これまで仲間を広げて、 農業や幼児体育教室の経営者、 保育士、 民族楽器の演奏家などさまざまな職種の市内外17人の青年がつなぎ村のメンバーになった。
一過性のイベントでは、 継続性がないため、 水口さん宅の空き小屋や蔵を宿泊所や休憩所にし、 田畑を貸し農園にすることで、 滞在時間を増やし、 遠方の住民と交流できる仕組みをつくりたい考え。 2人は、 「都市部の参加者がゲストではなく、 主役になれる」 ような活動を目指す。 現在、 メンバーが秋からの受け入れのために、 水口さんの畑で黒豆を育てているほか、 空き小屋の整理などを行っている。
足立さんは 「田舎の暮らしに魅力を感じる都市住民は多く、 移住につながれば」、 神谷さんは 「田舎暮らしを発信できる場にしたい」、 水口さんは 「過疎だと嘆くのではなく、 心を開いて、 都市部の人を受け入れ、 活性化につながれば」 と話している。
つなぎ村は、 小屋などを改修するための古材や再利用品などの提供を呼び掛けている。 また、 メンバーも募集している。 問い合わせは、 足立さん (079・556・5766)。