丹波市は9月19日、 一般廃棄物処理施設 「(仮称) 市クリーンセンター」 を整備する事業者選定にあたり、 市との優先交渉権者に 「川崎技研」 (本社・福岡市) と日本国土開発 (同・東京都) の2社による企業グループを選んだことを明らかにした。 同グループは、 排熱利用において、 水より沸点の低い媒体を蒸発させた蒸気で効率よくタービンを回す 「バイナリ発電」 や、 環境学習ができる啓発施設などを提案している。 市は、 11月中にも市議会の議決をへて、 請負契約を締結する予定。
事業者選定は、 金額と、 技術や提案内容との両面から評価する総合評価型プロポーザル方式で行われた。 大学教授などの有識者でつくる選定部会が技術提案書の確認やヒアリングにより選定。 永井隆夫副市長を委員長とする審査委員会にはかり、 決定した。
今後、 同企業グループとの交渉に入る。 市は、 「交渉の内容は、 ほぼ金額に関することになるが、 建物の外観など、 地元の意向により変更できる余地があるかなどの確認も行う」 としている。
市が建設するのは、 24時間運転の46トン炉。 事業者提案では、 国の交付金対象となる 「熱回収率10%以上」 の条件をクリアするため、 小規模炉において全国初の導入となるバイナリ発電を採用。 年間を通じて10%以上の熱回収を行う。
環境基準に関して、 市は公害防止基準に基づく値と同等か、 さらに厳しい保証値を設定。 この保証値の達成を確実なものとするために、 さらに厳しい期待値 (自主基準値) を事業者に求めている。
事業者提案の主な期待値 (カッコ内は保証値) は、 排ガスにおいては▽ばいじん=0・008 (0・01) ▽ダイオキシン類=0・008 (0・01) ▽CO濃度=24 (30) ―などで、 また、 粉じん、 騒音、 振動、 悪臭など各項目においても、 市が求めている保証値と同等か、 保証値の8割の値を提案している。
市は今年2月開会の市議会で、 49億4000万円の予算を計上。 2015年3月末の完成をめざす。