丹波市は10月25日、 一般廃棄物処理施設 (仮称) 丹波市クリーンセンターの建設工事に関し、 業者と45億9900万円 (税込) で仮契約を結んだと発表した。 同日の議会運営委員会で報告した。 市は31日に開かれる市議会臨時会で建設工事の請負契約の締結議案を提案、 市議会の同施設に係る調査特別委員会に付託される。 同工事の業者選定には、 総合評価型プロポーザル方式を採用。 価格が高止まりする傾向にあるという課題が指摘されていたが、 すでに一部議員からは他の自治体の事例を根拠に 「契約額が高過ぎる」 との声があがっており、 臨時議会で議会がどのような判断をするかが注目される。
仮契約したのは、 川崎技研・日本国土開発特定建設工事共同企業体 (福岡市)。 市によると、 今年3月から事業者募集を始め、 当初、 3社が応募。 うち1社は資格審査で不合格となり、 もう1社は、 市の要求水準に基づく概略提案を終え、 詳細提案に移る前の段階で辞退した。 審査の結果、 市は9月に優先交渉権者を同企業体に決定。 同企業が23日に、 入札形式で見積金額43億8000万円を提示した。 予定価格は46億3500万円。
総合評価型プロポーザル方式は、 業者提案を 「技術」 「価格」 の両面から総合的に評価するもので、 同市の場合は、 「技術6割、 価格4割」 で審査した。
一般的なプロポーザル方式は、 「予定価格の範囲内で最高の提案を選択する」 方法だが、 価格が高止まりする傾向にあるという欠点もあり、 市が業者選定方法を発表した2月、 議会から指摘する声があがっていた。 これに対し市は、 技術面に加え、 「価格」 を評価項目に加えた総合評価とすることで、 適正価格で契約できるとしていた。 同月、 市議会の承認を得て、 49億4000万円の予算を確保した。
一部議員の指摘によると、 同じストーカ方式で処理能力が類似する自治体の事例と比較すると、 「トンあたり5000―6000万円が相場ではないか」 とし、 「ストーカ方式は全国的にお馴染みの方式で、 他自治体より厳しい排ガス規制に対応できる設備であっても、 特別高額にはならないはず」 という。
市は取材に対し、 新施設の設計は、 ▽建物の床面積を抑えるために、 ごみ搬入口を2階に配置▽ダイオキシンの排ガス規制を他の自治体より厳しく設定▽充実した啓発施設―などの特徴があるという。 また、 市町村合併による統合整備や、 東日本大震災により、 全国的にごみ処理場の需要が高まると売り手市場になるなど、 社会的背景も価格に影響すると考えられるという。
市は、 「国のデータベースをもとに予算額を出し、 施設の要求水準は、 地域、 市民、 議会との協議を積み重ねてきた結果。 自治体によってさまざまな事情が異なるため、 『高い』 『安い』 と比較できるものではないと考えている。 契約額は予定価格を下回っており、 適正価格と判断している。 臨時会では丁寧に説明していきたい」 としている。