青垣地域市立小学校統合準備委員会 (足立仁委員長、 35人) の第2回会合が11月21日、 青垣住民センターで開かれ、 丹波市教育委員会が、 「青垣地域の教育を考える会」 の提言に対する 「市の考え」 を述べた。 同提言の 「現在の青垣中学校の同一敷地内に小学校を建設し、 小中が連携して教育を行う」 とする小中併設案は、 物理的に 「非常に厳しい」 と答えた。 市教委の回答を受けた意見交換では、 小学校の統合のみならず、 生徒数の減少が見込まれる青垣中の統合懸念を視野に入れた意見が出て、 議論が拡散。 方向性を見出すに至らず、 各自持ち帰り、 委員が地域の意見を吸い上げることになった。
市教委は、 市長部局と協議の上で回答をまとめ、 「考えを理解してほしいが、 押し付けはしない」 と前置き。 青垣中のどの位置に小学校校舎を配置すれば 「併設」 提言を実現できるのかを検討したとし、 ▽テニスコートの位置は谷あいで日照時間が短い上、 湿気がこもり環境上好ましくない▽既存の運動場をつぶして小学校舎を建て、 新たに運動場を求めると、 管理上の死角ができる上、 1万平方メートル以上の用地が必要で、 法的条件のクリアに時間と費用がかかる―とし、 「併設は非常に厳しい」 とした。 その上で、 「施設が併設にならなくても、 小中の連携は市全域で進めていく」 と述べ、 委員に意見を求めた。
中学校の問題を考慮する委員は、 提言の 「小中併設」 は、 生徒数減少で将来、 青垣中が氷上中に統合されるとの懸念から、 児童と生徒を同じ場所に集めることで一定の規模を確保しようという考えだと説明。 「提言を踏まえるべき」 と主張する意見がある一方、 小学校の統合を優先し、 中学校の問題は将来の課題としては、 との意見もあった。
また、 「併設が難しいなら、 中学校の近くに小学校を作れないか」 とする意見、 「併設でないなら、 日あたりの良い所に新小学校を作ることも考えられるのでは」 とする意見も出た。
これとは別に、 新しい小学校を建設する場合と、 既存小学校を利用した場合のコストに関する委員の質問に、 市教委は、 新築で20億円強、 小中学校併設は14―15億円 (体育館を共同利用するため)、 既存小学校利用は、 改修と増築で5億円程度、 と回答した。
「青垣地域の教育を考える会」 は今年3月、 14回の会議の検討結果として、 ▽4小学校を早期に統合するのが望ましい▽小中併設とし、 施設一体型の小中一貫校とする▽新しい地域コミュニティーづくり―の3点を提言した。 市教委は、 小中併設を除く2項目は、 「市の考えと合致している」 と回答した。
一部委員の中学校統合の懸念は、 市教委が、 学校の適正規模に関して設置した委員会が中学校の適正規模を 「1学年3学級が望ましい」 としたことに由来する。 現在1学年2学級だが、 1学年1学級になる可能性があるとして、 統合への危機感を持っている。