JA丹波ささやま (稲山建男理事長) は12月4日、 同JA篠山支店 (篠山市黒岡) の元男性職員 (32) =2012年3月31日付で依願退職=が組合員の定期積金掛金約310万円を着服し、 それを穴埋めするために、 同支店金庫から現金100万円を着服していたことを明らかにした。 職員の着服が明らかになったのは、 08年、 10年5月、 同年12月に続き4回目。 稲山理事長は 「度々のことで、 組合員の信頼を失墜させ、 厳粛に受け止めている。 再発防止に組織を挙げて取り組む」 と話している。
同JAによると、 男性職員は08年3月31日―12年3月30日、 組合員から受け取った定期積金掛金を同JAに入金するのを遅らせ着服。 遊興費や生活費に流用していた。
発覚したのは、 本店による10月の定期監査で、 満期の通帳を点検したところ、 組合員から預かった日と入金された日が異なっていることで分かった。
また、 同支店長らは、 男性職員が着服したことを知っておきながら、 「10年12月の着服も篠山支店での出来事で、 報告するのが怖かった」 として、 本店に報告しなかったことも10月に分かった。
男性職員は全額を返済。 告発するかどうかは、 県やJA上部機関と協議する、 としている。 着服を隠蔽していた支店長らの処分は、 懲戒委員会で協議しているが、 稲山組合長は 「再発防止のためにも、 これまでにない厳罰を課するつもり」 と話している。
◆法令順守強化も「隠していた」 11月に本紙取材
「変革を目指す」 として、 今年6月に就任した稲山理事長。 9月には、 再発防止にこれまで総務部内にあったコンプライアンス担当を 「コンプライアンス企画管理部」 として担当職員も増やした。 結果的にその 「効果」 が発揮された形。 しかし、 丹波新聞社が11月6日に幹部に取材した時点で着服を知りながら、 「そのような事実はない」 と返答した。 今会見時には 「言い訳になるが、 隠していた」 と答えた。 今回の会見発表は、 「11月28日の理事会で決まった」 としながらも、 結果的に新聞報道の後だった。