丹波市はこのほど、 過疎化に伴い増加傾向にある空き家に関する実態調査を行い、 市内に少なくとも1038戸あることが分かった。 また、 その約8割は適切に管理されているが、 残りの2割は防犯や環境面で問題があるか、 崩壊などの危険性がある状態との結果が出た。 空き家に対する 「何らかの対策が必要」 と考えている自治会は7割にのぼった。 市は、 関係4課で会合をもち、 防犯対策、 住宅施策、 資源としての活用策など、 総合的な視点から対策に乗り出す。
特に所有者が不明の空き家は、 防犯上や環境・衛生面で問題があり、 火災や崩壊の危険性もあるとして、 一部自治会から、 市に対策を求める声が寄せられていた。
全298自治会の会長を対象に今年8月、 アンケートした結果、 228自治会から回答を得た (回収率76・3%)。 別荘や建売物件は対象外とした。 戸数や管理の状況、 所有者の連絡先を把握しているか否か、 自治会として対応した例があるか否か―などを問うた。
管理の状況では、 78・9%が 「適切な管理」 がされており、 15・4%が 「防犯・環境の問題あり」、 5・7%が 「崩壊等の危険あり」 だった。 所有者の連絡先は84・8%が 「把握」 している。 「把握していない」 とする、 残る15・2%のうち、 問題があった場合の対応策として 「自治会で対応」 したのは10・7%、 「何もしていない」 のは7・1%で、 8割近くは 「案件 (問題) がなかった」。
市によると、 自治会での対応の仕方では、 ▽植木が道にはみ出している場合などは、 はみ出している部分だけを剪定する▽危険個所にロープをはったり、 三角コーンを置く―のほか、 不審者が心配される場合は、 ▽警察に巡回してもらう▽地域で見守る―などの例があるという。
防犯の面から見る市生活安全課は、 「戸数が多い少ないよりも、 家主と連絡がとれず管理されていない空き家が増えつつあることが問題。 崩壊の危険性や防犯面への対策が当面の課題」 とする。 総合調整役を務める市企画課は、 「現状では、 空き家もあくまで個人資産であり、 市が介入できないというのが考え方。 危険回避のために解体撤去が行える条例を制定するなど、 市が介入できる制度が必要かどうかも含め、 今後の協議となる」 と話している。
なお、 空き家予備軍といえる市内の高齢者 (65歳以上) 単身世帯は3522世帯、 高齢者夫婦世帯は2555世帯 (いずれも昨年4月現在)。