医療・福祉施設のなかった兵庫県丹波市山南町上久下地区に今春、 診療所と老人福祉施設 (小規模多機能型居宅介護施設) が相次いでオープンする。 ともに、 上久下地域づくりセンター近くの下滝地内。 高齢化の進む地域で、 住民らは安心して暮らせるようになると喜んでいる。
にしき記念病院心療内科部長兼漢方科部長の安井不二男医師 (54) =丹波市柏原町柏原=が独立して開業する。 名称は 「上久下の森診療所」 (TEL0795・70・6191)。 3月2日から診療を始める。
診療科目は、 心療内科、 内科、 漢方内科。 診療時間は月―土曜日の午前9―正午と、 月、 火、 水、 金曜日の午後4―7時。 木、 土曜日の午後と、 日曜祝日は休み。
安井医師は、 内科を振り出しに、 精神科、 県立尼崎病院内科副医長、 県立柏原病院内科・東洋医学科医長などを務め、 現職。
安井医師は 「集大成として、 医療過疎地域でかかりつけ医として役に立ちたい」 との思いから上久下地区での開業を決めた。 また、 東洋医学を研究する中で、 自然が豊かで安らぎの雰囲気に満ちた場所が治療の助けになると考えていたことや、 旧山南町が古くから薬草栽培が盛んな 「漢方の里」 として知られていることも後押しになったという。
診療所は木造平屋建てで、 建物面積約280平方メートル。 レントゲンなどの検査室のほか、 患者がくつろげるようにと待合室は広くとり、 読書室、 カウンセリング室もある。
安井医師は 「東西両医学で心身ともに少しでも楽になって帰って頂ける医療を目指したい」 と話している。
また、 そばに 「森の薬局」 も同時に開業する。
介護施設「山南古代の里」 旧村役場跡に4月開所
小規模多機能型居宅介護施設は、 特別養護老人ホーム 「柏原けやき苑」 などを運営する 「丹波柏原福祉会」 (上山一雄理事長) が、 旧上久下村役場跡地 (八尾電機跡) に建設を進めている。 4月1日オープン予定。 名称は、 上久下地区で恐竜化石が発掘されたことにちなみ、 「山南古代の里」 とした。
同施設は市内3カ所目。 年中無休で24時間開業し、 「通い」 (デイサービス)、 「泊まり」 (ショートステイ)、 「訪問」 (訪問介護) の3つの介護サービスを1カ所で受けられるのが特徴。 地域密着型のサービスとして注目されている。
宿泊施設9室、 リハビリ室、 地域交流コーナー、 食事室のほか、 診療所を併設。 医師が非常勤で勤務し、 施設利用者以外の診察も行う予定。
木造瓦葺き2階建てで、 建物面積450平方メートル。 ぬくもりのある建物をと木造を選び、 丹波市や県産の木材を使用している。
定員は25人登録制。 月4回以上いずれかのサービスを利用することが条件で、 利用料は、 介護度に応じた月ぎめ定額。
上山理事長は、 「宿泊室を多めに設計しており、 独居老人の利用を見据えた施設にしたい」 と話している。
利用受付を始めているが、 先着順ではなく、 緊急度の高い人から決定する。
問い合わせは柏原けやき苑 (TEL0795・73・1185)。