1972 (昭和47) 年までの28年間、 篠山口駅―福住駅間を走っていた 「国鉄篠山線」 の開業70周年を記念して、兵庫県篠山市内の鉄道愛好家らが、 廃線跡に当時使われていたレールと枕木を集め、 線路を敷設する夢を描いている。 今後、 仲間を募り、 グループを結成。 開業70周年を迎える来年、 同線の開業日である3月21日にお披露目する計画。 発起人で、 昨年2月に城東公民館で開いた 「篠山線廃線40周年記念シンポジウム」 の実行委員会事務局長を務めた松本剛さん (53) =篠山市井ノ上=は 「篠山線の遺構に光を当てて、篠山市東部活性化の一つになれば」と話している。
国鉄篠山線は、 篠山市 (当時の多紀郡) を東西に横断する形で篠山 (現在の城南地区)、 八上、 丹波日置、 村雲、 福住の各駅17・6キロを運行していた。
レール敷設は丹波日置駅―村雲駅の間の北嶋集落付近にあるコンクリート橋付近。 辺りは線路用の築堤やコンクリート橋が残っている。 市内に点在するレールや枕木を集め、 線路5―7メートルを敷設する。 線路の形を当時そのままにと、 国鉄OBの指導を仰ぎ、 砂利を敷いたり、 「犬釘」 と言われる枕木を留める釘も使う構想を持っている。 また、 線路の近くに枕木やレールを使った案内板を設置。 丹波日置駅 (日置北交差点付近) にも同様の案内板を設置したいと話している。
発起人の松本さんは、 一昨年に丹波日置駅、 昨年11月にはコンクリート橋付近のジオラマ (情景模型) を作製したり、 昨年は同シンポジウムで基調講演するなど、 篠山線への思いが強く、 その廃線跡を利用した活性化に関心を持っている。 また、 全国には廃線マニアと呼ばれる、 廃線跡を訪れる愛好家がおり、 松本さんを訪ねる愛好家も数多い。
その中で、 ▽篠山線開業70周年という区切りの年▽福住が国の重伝建地区に選定▽出版社が3月に県内の廃線を出版―などを好機と捉え、 篠山線のPR方法を考え企画した。
今後、 レール敷設には人手や資金が必要でその確保が悩みの種となっており、 地権者等との調整も必要となっている。 その手始めとしてグループ結成を計画している。
松本さんは現在、 篠山駅のジオラマを作製中。 作製に必要な当時の写真の提供を呼び掛けている。 グループ入会希望者や写真提供者は松本さん (TEL090・8206・6582)。