和田寺 (武内普照住職、 兵庫県篠山市今田町下小野原、TEL079・597・2033) が、 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県東松島市の仮設住宅の被災者たちが作ったアクセサリーの販売を同寺で始めた。 仮設住宅に出向いて商品を買い付けてきた同寺の副住職、 武内泰照 (たいしょう) さん (44) は、 「この手作りのアクセサリーを身の回りに置くことで、 被災地を思い続けることになるし、 地元に居ながら被災者支援にもつながるのでは」 と、 賛同を呼びかけている。
販売している商品は、 ▽東松島市内を流れる北上川の名産 「北上のべっこうシジミ」 の貝殻に、 ちりめんを巻き付けて作ったストラップ (500円) ▽友禅和紙で折った着物の折り紙 (500円) ▽被災家屋のケヤキの大黒柱から作った数珠 (1000円) ―など。
いずれの商品にも、 「歩き始める歩き続ける この先にきっと幸福があることを信じて」 「ポケットにしまえる程の幸福でも 充分と思える仮設のくらし」 など、 苦境に立たされながらも、 力強く生き抜こうとしている被災者たちの前向きな思いをつづったメッセージカードが添えられている。
同市大塩の仮設住宅内に設置された 「ひまわり集会所」 に集う住民らで組織した 「ひまわり工房」 がアクセサリーを作っている。 海に面した同市は、 津波などで家屋の約7割が全半壊。 同集会所は、 仮設住宅の約270世帯をまとめる自治会の拠点で、 70世帯以上にもおよぶ高齢者のひきこもりを防止するため、 同集会所で折り紙作りを始めた。 当初はボランティアへのお礼の品に使っていたが、 現在は、 被災者の収入や集会所の運営費に充てる自助活動の一環として行っている。
今月21、 22日、 同集会所で、 天台宗の若手僧侶でつくる 「兵庫天台仏教青年会」 が、 お経に節を付けた“仏教版讃美歌” 「聲明 (しょうみょう)」 のコンサートや交流会を開催。 同青年会の一員として同市を訪れ、 復興までほど遠い現状を目の当たりにした武内さんは、 知人であり、 以前から同集会所のアクセサリーを買い付けて自分の寺で販売する支援活動を展開していた能福寺 (神戸市) の僧侶に共感し、 販売を行うことにした。
武内さんが取り扱っている商品以外にも、 ペンダントやコサージュ、 ヘアピンなど、 10種類以上の商品がある。 詳しくはひまわり工房 (http://himawarishukaijo.jimdo.com/)。