兵庫県丹波市の青垣地域4小学校の位置を選定する丹波市青垣地域市立小学校統合準備委員会 (足立仁委員長) の第3回専門部会 (足立英俊委員長、 15人) がこのほど、 青垣住民センターで開かれた。 用地の第一候補に考えている青垣中に隣接する、 同校東側の農地と、 南側の山を削って土地を確保するとの結論を出そうとしたところ、 事務局の市教委が、 文化財調査が必要になる可能性があると指摘。 文化財調査にかかる期間などを見極めた上で、 同地を候補地にするか判断する。
同部会は、 同中東側の農地と、 南側の山を削ることで、 青垣地域で敷地面積が最も広い佐治小と同規模 (約2万平方メートル) を確保したい考え。 山を削ることで、 青垣中と統合小の行き来をしやすくし、 青垣地域の教育を考える会の提言 「同一敷地での小中一貫教育」 に近づけたい意向。
市教委は、 当該用地について、 農業振興地域で、 農振除外の手続きや、 保安林解除の手続きが必要なほか、 山を削るのには多額の費用がいると説明。 さらに、 農地の一部に、 須恵器などが出土している古代から中世の 「梅ノ木遺跡」 が含まれていること、 山には、 古墳時代の円墳 「段ケ端古墳」、 近世の寺院跡 「光明寺跡」 を含んでおり、 「掘ってみなければ分からない。 仮に文化財が出ても、 調査を終えるまで待てば学校を建てられるが、 調査期間が長期に及び、 費用もかなりかかる可能性がある」 と提起。 候補地とするのは難しいのではないかとの考えを示し、 既存校舎の活用を含め、 適地を選定するよう促した。
これに対し、 委員は、 「ベストは山を削り、 隣接地に建設すること」 「隣接地にすることで、 小学6年間、 中学3年間の区切りを、 小学1―4年、 小学5、 6年と中学1年、 中学2、 3年と区切りを変えることが可能になる。 青垣がモデルとなった教育の実現ができる」 などと反発。 市教委に文化財調査にかかる時間と費用のおおまかな見積もりを次回会議で提示するよう求め、 議論を収めた。
足立委員長は、 「山を削るのを含め、 隣接地に建設したい。 時間との勝負になるのかもしれないが、 現時点でアウトにしたくない」 と発言。 足立委員長は、 「何年もかけてもいい、 という話にはならない。 どこで線引きをするか、 その辺が難しい」 と述べた。
これまでの検討の中で、 青垣中の敷地内に小学校校舎を建てる 「同一敷地」 化は、 面積が確保できない、 死角が生じ、 安全面で問題がある―などの理由で実現不能の共通認識がはかられている。