兵庫県の丹波市教育委員会の小田繁雄教育長は3月15日、 市役所で会見し、 市内の認定こども園3施設の建設費について、 法定分以上の補助金1億4039万1641円を、 同園設置主体の社会福祉法人に支出していたと発表した。 法改正を見落としていたことが原因。
2005年に改正された児童福祉法で、 補助対象となる建設費の4分の3 (国2分の1、 市4分の1) までしか補助できなくなったことを、 当時、 こども園を担当していた福祉部が見落としたまま要綱を作成。 法人が本来負担すべき4分の1について、 市が単独補助金として一般財源で負担していた。 09年度から担当部署が市教委に移ったが、 確認は行われなかった。
市の過払い補助額は、 「みつみ」 (同市山南町谷川) が4470万5960円、 「さちよ」 (同市氷上町桟敷) が4480万7565円、 「あおがき」 (同市青垣町沢野) が5087万8116円。
市教委は、 法人の経費負担の軽減をはかるため、 「こども園経営基盤安定化補助金」 を創設し、 これまでと同程度の支援をする方針。 これまで法人でやりくりしていた備品購入や修繕費、 人件費などを補助対象とする。
この問題を受け、 市は18日開会の本会議で、 新年度予算案を訂正することに承認を求める。
すでに交付済みの分について 「いったん返還してもらい、 同額を補助する会計処理ができないか法人と相談する」 とした。
小田教育長は、 「思い込みによるミスで、 公務員として恥ずべき原因。 関係のみなさんに謝罪する」 と頭を下げた。
今月、 豊岡市で同様のミスが発覚したことを受け、 内部点検したところ、 不適切支出が分かった。