国蝶オオムラサキの飼育スタート 校庭に幼虫放つ・大芋小児童

2013.04.18
ニュース丹波篠山市自然

写真・エノキに放たれたオオムラサキの幼虫

 大芋小学校 (畑善継校長、 児童数20人) が4月15日、 国蝶のオオムラサキを育てようと、 同校グラウンドに設置された飼育ケージに幼虫を放した。 同地区で最後に発見されたのは15年前。 葉が幼虫のえさになるエノキが同校の周辺に育っているため、 「オオムラサキの里」 の復活を願って1匹1匹丁寧に児童たちが幼虫を枝に止まらせていた。

 オオムラサキの飼育は、 丹波の森公苑内に事務所を置く、 「兵庫丹波オオムラキの会」 (樋口清一会長) が普及を進めており、 同市では2009年から、 篠山小学校が始め、 昨年度からは八上小学校でも飼育を始めている。

 この日、 同会のアドバイザー、 足立隆昭さんが児童たちにオオムラサキの生態について講義。 オスとメスの違いや、 幼虫はエノキの葉しか食べず、 成虫は樹液をえさにすること、 「準絶滅危惧種」 であることなどを話した。

 同校グラウンドそばの花壇に、 同公苑で育てた樹高約1・5メートルのエノキを同会のメンバーが植栽し、 網で覆った。 児童たちは、 同公苑で育てた約3センチの幼虫7匹を落とさないよう慎重に枝に移した。 グラウンド周辺にはエノキが点在しているので、 羽化した成虫は野外に放していく計画。

 いずれも4年生の、 武部愛 (まな) さんは 「幼虫は見た目が硬そうでちくちくするかなあと思っていたけれど、 触ってみると、 柔らかかった」 と笑顔。 山下幸星君は 「モンシロチョウの幼虫は育てたことがあるので、 しっかり観察したい。 立派に成長してほしい」 と話していた。

 1998年に桑形飛鳥さん (小原) が小学5年生の時に小原の国道沿いで死んでいるオオムササキを見つけ、 その標本が同校玄関に展示されている。 それをきっかけに、 2001年の校舎建て替え時に、 校舎壁面に地域の名木とともにオオムラサキがレリーフとしてデザインされている。

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