ササユリの研究を続けている氷上高校営農科の草花班が、 丹波市柏原町下町沖田自治会と連携し、 「おさんの森」 にササユリを再生するプロジェクトに取り組んでおり、 6月2日、 同自治会で開かれた運動会会場で、 ササユリの栽培サポーターを募った。 3年ほど自宅で育ててもらい、 「おさんの森」 に移植する。 ササユリを育てている間に、 里山の手入れが進み、 ササユリを移植した際に、 根付く環境になっていることを期待している。
同班がササユリの研究に打ち込んでいることを知った、 同自治会の花づくりグループ 「花の会」 (中島五郎代表) が協力を要請した。 生徒たちは昨年11月、 おさんの森に球根5―6個と12株を移植。 毎月調査に訪れ、 成長の様子を記録している。
同班は、 通常であれば発芽まで1―2年かかる種をバイオ栽培で約半年に短縮する技術を持っており、 通常8年かかる開花までの期間を約2年縮めた。 学校で発芽させたものを直接山に戻すのでなく、 一度廃れた山野草を再生させるには、 人との関係性が重要と考え、 山の近くに住む人が栽培したものを山に戻す方法で群生が広がる 「新しい自然との共生」 を希望。 ユリを育て、 球根を大きくする 「サポーター」 30人を同自治会で募った。
サポーターたちは、 同班の南力斗班長 (3年) と坂本佳予さん (同) に手伝ってもらいながら、 発芽から2年目の2ミリほどの球根を植木鉢に移し、 ▽日陰に置く▽たまに水をやる―などと、 栽培方法を教わった。
サポーターになった山河悠生君 (7) は、 「大きくなって、 きれいな花が咲いたらな」 と言い、 「花の会」 事務局の大西容子さんは、「おさんの森に以前はササユリが咲いていたそう。 ササユリを通して、 地元の人がおさんの森に行く頻度が増えれば。 手入れも引き続きしていきたい」 と話した。
市内の他の場所でもササユリの生息環境を調べている南班長は、 「光があまりあたらず、 水はけが良いおさんの森はいい条件。 サポーターに預けた苗がうまく育ってくれれば」 と期待している。