山南地域市立中学校統合準備委員会 (柳川瀬義輝委員長、 36人) の会合が6月25日、 山南庁舎であり、 市教育委員会が、 2中学校統合に伴う遠距離生徒の通学方法について、 「10キロを超える場合にスクールバスを運行する」 との考えを示した。 委員たちは、 「10キロは遠過ぎる」 と難色を示し、 意見を言い合った。 結論は持ち越した。
同準備委員会は、 山南中央運動場 (山南町谷川)、 同町村森付近、 同町井原付近の3カ所を山南、 和田、 両中学校の統合中建設候補地としており、 東西に長い地形を踏まえ、 通学対策を検討した上で新中学校の位置を決めるとし、 市教委に案を提示するよう求めていた。
市教委は、 市長部局の財政、 交通政策担当などとの協議結果として、 「10キロ以上」 と回答。 文部科学省の法律施行令では、 適正通学距離は 「おおむね6キロ以内」 だが、 現状、 春日町野瀬の生徒が、 10キロ近くの距離を春日中まで自転車通学しており、 これを基準に、 「10キロ超」 としたと説明。 3候補地のうち、 どこを選んでも、 和田地区か上久下地区の一方からスクールバスを運行する案とした。
また、 文科省の適正距離は、 「地域の事情を加味できる」 と、 厳密に順守しなければならないものではないことを説明した上で、 6キロ超を基準とした場合、 対象人数が多く (最大で134人)、 「現実的にどうか」 とし、 「7―9キロとするには、 それ相応の理由を考える必要がある」 とした。 10キロ以上の場合は、 対象は3―11人。
委員は、 「春日が10キロだから山南も、 という話にはならない」 「親が 『いい所に建てた』 と思う所に (新しい学校を) 建てたい。 10キロにこだわる必要はない」 「山南でも実際9キロを自転車通学している。 それより長い場合をバスにしては」 などと意見を言い合った。
また、 「委員会で決めた対象距離を、 市や市教委は実行するのか」 という委員の問いに、 市教委は 「財政上の問題があり、 分からない。 分からないが、 委員会の決定は軽いものではないと考える。 委員会として距離を決めてほしい」 と答えるなど、 委員が、 市と市教委の進め方に疑義を呈す場面もあった。
また、 通学手段がいくつかある中でスクールバスに絞った理由について、 路線バス運行会社が所有しているバスの台数ではやり繰りができない、 デマンドタクシーは事前予約制かつ午後3時までで、 登下校に不向き、 コミュニティーバスの運行は、 既存の路線バス、 タクシー会社の経営を圧迫しかねない、 などと説明した。
丹波市内の中学校では現在、 スクールバスは運行していない。