丹波市教育委員会は7月19日、 同級生への暴力で市内の中学校男子生徒4人が逮捕された事件を受けて、 市内全小・中学生を対象に実施した 「児童生徒のいじめに係る実態調査」 の結果を公表した。 「いじめを受けている」 と回答したのは11・1% (620人) だった。 市教委は、 現時点では 「疑いがある数値」 と捉え、 夏休み中に全小・中学生を対象に面談を行い、 実態を精査した後、 9月にその結果を公表する。
調査は6月5―14日に実施。 回答率は97・7%。 調査結果は、 市のホームページで公開しており、 26日まで市民から意見を募っている。 小田繁雄教育長は、 「いじめと向き合う再出発としたい」 と話しており、 各学校の実態は校区へ積極的に情報公開し、 家庭や地域とも連携した体制づくりに取り組む方針。
「いじめを受けている」 との回答数と比べて 「人をいじめている」 との回答が少なく、 ずれがある。 学年が上がるに連れて 「いじめを受けている」 が減少傾向にあるが、 いじめを受けていると認めたくないという意識が働いている可能性があると分析。 「いじめている」 回答が少ない点について 「教職員が、 『いじめを受けている』 との声を軽視したり、 子ども同士の認識にずれがあるから必要な対応をしない、 ということがないようにする」 と課題をあげた。
いじめの兆候と思われる 「冷やかしやからかいを受けている」 「遊び半分でたたかれたり、 蹴られたりしている」 などの具体的な設問への回答を、 学年ごとに単純に足していくと、 中学生の回答数が増え、 「いじめを受けている」 の結果とのずれがある。 市教委は、 「いじられキャラになることで、 いじめられる側になるのを防いでいる生徒もいるはず。 夏休みに実施する面談結果とあわせて検証したい」 とした。
「いじめ問題にあった時、 誰に相談するか」 では、 親が最も多く、 次いで担任、 友だちの順。 「いじめを見た時、 どうしますか」 では、 担任の先生に伝える、 助けたり、 励ましたりする、 いじめている人を注意する―の順で多かった。 一方で、 「相談はしない」 「何もしない」 との回答は学年が上がるに連れて増加する傾向にあり、 市教委は、 「観衆、 傍観者にならない指導のあり方を考えたい」 としている。