塗装業を営んでいる 「ミヨシ塗装工業」 (池上、 三角義宏社長) が、 木材などの再塗装を行う際に環境に良く、 材質の保護効果も高まる新技術を採用。 社寺や伝統的な家屋など、 木材建築が多く残る篠山での活用を目指していく考えだ。 三角社長は、 「これまでの工法は木や環境に良くないものだった。 篠山は木材建築が多いので、 新工法を広め、 木の良さを残していければ」 と話している。
新工法は、 大阪市の株式会社 「大谷塗料」 が開発した 「MOKリバ工法」。 高圧の空気で微細に砕いたクルミの殻を施工面に噴射し、 表面の腐食部分などを削り取る。 約7年前に開発し、 2年前には特許を取得している。
従来は高圧の水や薬品を用いることが多かったが、 水は木に余計な水分を与えることがあり、 薬品は川の近くなどで使用すると環境に影響が出る可能性があった。
また、 サンドペーパーを使った手作業は時間がかかる上に、 凹凸面の処理が難しいなどの課題があった。
三角さんが、 「何かいい技術はないかと思っていた」 ところに提案されたのが 「MOKリバ工法」。 大谷塗料では実績のある塗装業者に工法を広めており、 三角さんとの思いも一致し、 専任店契約を結んだ。
7月19日には丹波並木道中央公園 (篠山市西古佐) の入り口にあるムクの木 (長さ約3・7メートル、 幹回り約3・75メートル) の看板修繕を新技術で施工。 数時間で表面のコケなど、 同公園オープンから6年分の汚れをそぎ落とし、 きれいな看板によみがえらせた。
三角さんは、 「従来と比べて圧倒的に早く、 きれいに施工できた。 よみがえった看板をたくさんの人に見てもらえれば」 と話していた。