丹波市は8月8日、 青垣総合運動公園の男性係長 (55) がスイミングスクール受講料などの公金約700万円を着服していた事件で、 着服額が2094万5710円にのぼることを明らかにした。 公表した7月25日時点では、 着服したのは 「今年1月以降」 としていたが、 昨年9月5、 6日に収入済みの公金 (24万8670円) を着服したのが最初だったことがその後の調査で分かった。 市は同係長を業務上横領罪で告訴する方針。 同施設は現金の取り扱いは複数で行うなどの改善策をとった。
7月25日時点での被害額 「701万3470円」 を 「714万770円」 に修正した。 係長はこれまでに全額を返済している。
また、 同事件を調査する中で、 プールで使う消耗品の代金1万6800円が未払いになっていたほか、 同施設設備の2件の修繕工事代金計38万8500円を、 係長が個人で支払っていたことも明らかになった。 市は、 「消耗品の納入や工事自体は完了しており、 業者から請求があった後の事務処理を怠っていたようだ」 としながらも、 不十分なチェック体制であったことを認めた。 この不適切な事務処理への対応は協議中。
係長は、 同スクール受講料を借金返済や競馬に使う目的で着服。 金融機関に入金する時期を遅らせ、 着服した額を穴埋めするために、 また着服することを繰り返していた。 今年4月以降は、 穴埋めする金をつくるために競馬などに使う金が膨らみ、 公金からの穴埋めができなくなっていた。
同施設では、 窓口で収受した現金は1週間、 券売機の現金は15日間、 金庫で保管していた。 金融機関への入金や領収証書の管理は担当係長だけが行い、 伝票の確認などのチェック体制がとられていなかった。
市は7月25日以降、 ▽平日は毎日、 青垣支所を通じて金融機関に入金する▽受付窓口での受講料などの預かりについても複数で確認する▽金庫の開け閉めは複数で行い、 持ち出し、 入金の記録簿をつける▽スイミングスクール受講生の台帳を整備し、 ある程度の収入見込み額が分かるような処理をしておき、 入るべき額の決定が速やかに行えるような体制をとる―などの改善策をとった。