ボクシングWBC (世界ボクシング評議会) ライトフライ級タイトルマッチ12回戦が8月31日 (日本時間9月1日)、 メキシコ・メキシコシティーで行われ、 世界タイトル初挑戦となった篠山市東新町出身の角谷淳志 (28) =大阪市、 金沢ジム所属=は、 チャンピオンのアドリアン・エルナンデス(27)に4回TKO(テクニカルノックアウト)で敗れた。 一度はダウンを奪い、 波に乗る場面もあったが、 強烈な王者の拳の前に倒れた角谷。 海を渡った28歳は 「本当に悔しい」 と漏らし、 目は悔し涙に濡れた。
足を使って間合いを取りながら臨んだ1回。 いきなり右ストレートから左、 右フックのコンビネーションを打ち込み、 王者からダウンを奪った。
この瞬間ばかりは、 会場を埋め尽くしたメキシコ人の歓声も悲鳴に。 エルナンデスにもわずかばかりの動揺が見えた。
しかし、 2回から王者のジャブが決まり始める。 角谷は試合後、 「1発もらった瞬間、 なんだこれと思った」 と振り返る。 決してスピードがある選手ではない王者。 しかし、 そのパンチは驚くほど重かった。 2回はその後、 ロープ際で激しい打ち合いになり何とか持ちこたえたが、「ほとんど覚えていない」。
3回になって落ち着きを取り戻した角谷。 王者の弱点とされるボディーを狙って打ち込み、 試合を立て直したが、 2回のダメージはぬけ切らず、 地に足がつかない。 スタミナもほとんど底を突き、 左ジャブ、 右ストレートなどをまともに食らうようになった。
迎えた4回。 果敢に攻めたが、 王者の左フック、 右ストレートのコンビでダウン。 ラッシュをかけられ、 右フックで2度目のダウン。 そして、 左フックで3度目のダウンとなり、 レフェリーが試合を止め、 世界初挑戦が幕を下ろした。
圧倒的なアウエー、 慣れない海外、 高地、 練習時間の短さ。 しかし、 控え室に戻った角谷はいい訳は口にせず、「悔しい。 応援してくださった人たちに申し訳ない」。 ただ光も見えた。 王者について、 「スピードはなかった。 けれど、 自分がばてて、 体がついていけなかった。 今度、 やれば勝てる気はする」 と振り返った。
冴城辰弥トレーナーは、「絶対に次は笑顔で終わらせてやりたい」。 金沢英雄会長は、 「よくやったと思う。 またチャンスをつくりたい」 と話していた。