丹波市 (柏原町母坪) の72時間雨量が363ミリ (9月4日午後7時40分、 気象庁アメダス) となり、 14年ぶりに記録を更新した。 2日に190ミリ、 3日に80ミリ以上、 4日も75ミリ以上降った。 同地点では2日に1時間降水量と3時間降水量でそれぞれ観測史上1位を更新、 記録ずくめの大雨となった。
72時間降水量の記録だった99年の集中豪雨は、 丹波年輪の里裏の堤防が決壊するなど、 約100戸が床上浸水。 9月7日に258ミリ、 8日に17ミリ、 9日に4ミリ降った。
1時間雨量記録だった2009年の集中豪雨は、 床上3戸を含む114戸の床上・床下浸水被害。 高谷川があふれた。 1268戸に避難勧告が出されるなど、 混乱した。
3時間雨量記録の76年の豪雨では、 市島町東勅使にあった山下橋 (木造) が流出。 国道176号鐘ヶ坂で土砂崩れが発生、 春日町で土砂の流入で1戸が半壊。 床下浸水38戸の被害が出た。
◆床上・床下浸水80件 17世帯27人が避難
9月4日に丹波市を襲った大雨で、 おりからの長雨によって地盤がゆるみ、 土砂災害が予想されたことから、 市全体で延べ17世帯27人が避難した。 また、 市災害対策本部によると、 2日からの家屋浸水被害は、 市内で床上浸水3件、 床下浸水77件となった。
丹波市は4日午前10時半、 避難準備情報が発令されたことを受け、 市内9カ所に指定避難所を開設した。 集落の公民館に自主避難する市民もいた。
市災害対策本部によると、 同日午後2時半時点では市指定避難所に9世帯15人が避難。 また、 山南町上滝、 春日町鹿場でそれぞれ1世帯2人 (計2世帯4人) が地区公民館に自主避難した。 同4時半時点では、 指定避難所と自主避難をあわせると、 14世帯22人となった。
山南町上滝では、 自治会役員が土砂崩れが心配される家屋に住む高齢者宅を訪問して避難を促し、 正午ごろに避難所を開設。 高齢者夫婦1組が避難した。 村上正自治会長は、 「土砂崩れが心配だった。 上滝は高齢者が多く、 市指定の避難所までも距離があるので、 避難所開設に踏み切った」 と話していた。
竹田コミュニティセンターに避難した男性は、 「数年前の大雨で床上浸水したことがあったので、 心配になった。 雨が降り続き、 今後も何が起こるかわからないので不安」 と話していた。
市島町中竹田の市ノ貝地区では4日、 消防団員などが、 崩れて薄くなったため池の土手を削って水を下に流したり、 ポンプで池の水をくみ上げる作業に追われた。 2日の大雨で土手の外側が崩れ、 土砂は山裾の民家近くまで流れ込んだ。 4日の雨で、 被害が拡大するのを防いだ。
また、 4日には大雨警報の発令に伴い、 市内幼・小・中・高校は臨時休校となった。 丹波市議会は同日に予定していた定例会を翌日に延会。 当初日程から1日ずらして開会している。
市災害対策本部がまとめた家屋浸水被害は、 次のとおり。
【床上浸水】〈柏原1〉大新屋1〈春日1〉黒井1〈山南1〉阿草1【床下浸水】〈柏原14〉下町沖田2、 下町1、 新町4、 南多田1、 田路1、 大新屋5〈氷上19〉佐野3、 三原3、 小野3、 石生5、 横田3、 中野1、 福田1〈春日22〉黒井1、 棚原1、 野村6、 松森1、 園部5、 歌道谷1、 野瀬2、 中山1、 上三井庄2、 東中1、 横町1〈山南19〉上滝10、 阿草1、 青田1、 下滝2、 奥1、 和田3、 草部1〈市島3〉市ノ貝3