大蛇になぞらえた大きな鱧 (はも) を切り、 秋の収穫に感謝する、 沢田八幡神社 (篠山市沢田) の 「鱧切り祭」 が10月19日、 神社近くの沢田公民館で行われた。 約400年前から伝わる篠山三大奇祭の一つで、 ハモ切り役が出刃包丁をハモに刺し、 宙に回して裏返しにすると、 住民らから大きな拍手が送られた。
同神社の氏子らが車座になって収穫祝いの膳を食べている最中、 戸を激しくたたく音がして、 大蛇に見立てた体長約2・1メートル、 重さ約18キロの巨大なハモが登場。 ハモ切り役の多田雅純さん (36) が包丁でハモの体をしばらくなぞった後、 ハモを勢いよく持ち上げ、 ひっくり返した。
ハモ切りは、 沼地に生息する大蛇退治を例えており、 人々を苦しめたこの大蛇は水害を意味しているとされる。 秋の収穫の無事を祝い、 感謝を表す同祭は、 市指定の無形文化財で、 前沢田と北沢田で継承されている。