今月8日、 未曾有の台風被害を受けたフィリピン。 死者数は5000人を超え、 復興への道筋も立っていない状況の中、 篠山市内に住むフィリピン人や関係者らが、 同国を支援するための募金活動を始めている。 現在のところ、 市内関係者で親や兄弟を亡くしたといったケースは判明していないが、 親せきが亡くなったことがわかった人も。 関係者らは、 「もともと貧しい人が多い中で、 食べ物も着る物もない人がたくさん出ている。 どうか募金に協力してほしい」 と呼びかけている。
同国では8日、 今年最大の勢力といわれる台風30号が上陸。 風速は約80メートルに達し、 レイテ島などでは6メートルもの高潮に襲われた。 一時1000万人以上が避難し、 フィリピン国家災害対策本部によると現在、 死者5235人、 不明者1613人 (25日現在)に上っている。
丹波地域に住む外国人の支援を行う 「SOS丹波」 (篠山市魚屋町) では、 同団体が運営する 「スターカフェ」 (同) などで募金活動をスタート。 現在、 常連客や支援者などから数万円の寄付が集まっている。
同団体の笹倉嘉人代表の妻、 ベリンダさん (30) はフィリピン出身。 ベリンダさんによると、 台風から1週間ほどたってから父たちと連絡が取れた。
ベリンダさんの家族も被災しており、 家は壊滅状態で、 引っ越さざるを得ない状況。 親せきが亡くなったレイテ島では、 津波のような高潮が家の中まで入り込み、 まちは汚物や遺体の腐臭であふれているという。
笹倉さんは、 「義援金は、 現地の教会を通して被災者に寄付する予定。 今後は状況を見て、 物資なども募ることになるかもしれないので、 ぜひ協力してほしい」 と呼びかけ、 ベリンダさんは、 「父はいつも泣いているし、 とても心配。 私の家族だけでなく、 たくさんの人が困っているので、 助けてください」 と話している。
問い合わせは笹倉さん (080・5312・1483)。
◆篠山国際理解センターも募金受け付け 12月7日には網掛で
NPO法人 「篠山国際理解センター」 (篠山市宮田) では、 フィリピンで起きた台風禍を受け、 緊急募金を募っている。 12月13日まで。
募金は被害を受けたサマール、 レイテ、 パナイなどの島々への医療援助を始めている 「国境なき医師団」 に寄付する予定。 また、 12月7日正午―午後1時には、 四季の森生涯学習センター (同市網掛) で丹波地域に住むフィリピン人や外国につながる子どもたちとともに募金活動を行う。
募金の振込先は、 ゆうちょ銀行 (口座名・NPO法人篠山国際理解センター、 記号・00900―2、 番号・271155)。
問い合わせは同センター (月、 水、 金、 079・590・8125) へ。