クマの出没が続いている丹波市氷上町鴨内、 芹田神社境内の稲荷神社の社が壊されているのが1日、 見つかった。 爪跡、 足跡などが残っており、 氏子たちは、 ハチミツをなめようと、 クマが社内のニホンミツバチの巣をねらったものと見ている。
神社は同集落の北側、 民家から離れた場所にある。 午前5時に当番役の2人がお参りしたところ、 普段は閉まっている社の格子状の扉が外れ、 中が荒らされ、 クマが社の中からハチの巣を取り出す際に壊したと見られる社の木製部品が散乱していた。 社が3センチほど動いた跡があり、 クマが体重をかけた際に動いたと見られる。
社の中には、 白色をした巣の残骸とこぼれたミツが残っており、 行き場を失ったミツバチが飛び交っていた。
宮総代の芦田繁和さん (67) によると、 10年以上前から巣をしており、 薬剤を散布するなど何度も駆除に努めてきたが、 取りきれず、 巣が残ったままになっていたという。 「まさかという思い。 神さんをこういう状態で放ってはおけない。 修理する方向で考えたい」 と話している。
11月24日に宮当番が掃除に訪れた際は無事で、 それ以降に被害に遭ったと見られる。 五台山ふもとの同集落では11月20日にクマのフンが見つかり、 21、 22の両日にはカキの木が折られ、 山際のカキが食べられていた。 カキが食べられた現場は鴨内川と県道を隔てた集落の南側。
同集落近くの香良では先月18日にクマが目撃されるなど、 以前から出没報告があるが、 鴨内では報告がなく、 住民は戸惑っている。 同集落では、 11月の山林日役を中止、 12月1日の子どもの夜警も中止。 夜のウォーキングを控えたり、 クマに出られては物騒と、 家の近くに植わっているカキをもぐ人も出ている。
県森林動物研究センター (青垣町沢野) の稲葉一明森林動物専門員によると、 篠山市や但馬、 播磨で同様の被害事例があったという。 クマの出没頻度が高い地域では、 早めにミツバチの巣を除去するよう助言しているという。
また、 甘いものは高カロリーで、 効率的に冬眠前の栄養が取れるとして、 ハチミツもカキも好物という。 「山際のカキを食べ尽くすと、 集落の中や、 庭先まで来ることもある。 集落に引きつけることになりかねないので、 不要なカキはもいだ方がいい」 と話している。