2012年8月に青垣で発生した濁水流出事故後に見つかった水質検査結果を丹波市が隠ぺいした問題で、 市議会100条委員会が2月27日、 開かれた。 隠ぺいを指示したとされる当時の部長が 「幹部職員で合意した」 と証言したことに対し、 関係した当時の課長らは証人尋問で 「具体的な話はなかった」 などと異なる認識を示した。 また、 幹部職員が水道事業の全体の工程を把握していないなど、 指示系統や管理体制が十分に機能していない水道部内の実態も浮かび上がった。
濁水流出事故当時の業務課長、 工務課長、 工務係長ら4人の証人尋問が行われた。
当時の部長が 「幹部職員の合意で (検査結果を) 公表しなかった」 と証言していることに対し、 「部長から直接、 検査結果が出てきたという話を聞き、 『なぜ今ごろに』 という話はしたが、 部長から 『表に出すな』 といった指示は受けていない」 「そのような会に出た記憶はない」 「誰かが意見を述べるということもなく、 暗黙の中で 『そういう方向で』 といったニュアンスだった」 などと証言し、 当時の部長が言う 「合意」 との認識とは、 ずれが見られた。
また、 西芦田浄水場の改修と東芦田新水源工事の総括責任者だった当時の工務係長が、 「新水源の水質検査を業者に依頼したのは覚えているが、 結果は確認していない。 試掘井戸の検査結果がよかったという先入観があった」 と証言。 東芦田新水源の水とブレンドすることに伴う西芦田浄水場の改修工事において、 反映すべき新水源の水質検査結果を設計業者に渡すことなく任せていたことも明らかになった。
さらに当時の工務課長は、 供用開始前に県に提出すべき給水届について、 「提出する必要があると知ったのは、 濁水流出事故後」 と認識の低さを露呈。 委員から全体の工程管理について問われ、 「担当者が工程管理をしており、 予算に基づいて調整のついたものからやっていく。 どんな順番で工事を進めているのか把握していない。 課長でも把握できていないので、 部長の方が全体のことへの認識は薄かった」 などと述べた。