丹波市市島町北奥 (神池) の古民家と周辺の畑を 「村」 として、 都市住民らにいなかで暮らす気分を味わってもらう 「村」 プロジェクトが進められている。 来月、 中核となるそば店が開店し、 一般客が訪れるようになる。 無料で寝泊まりできる部屋や露天風呂をこしらえるなどし、 「村」 を中心に新たな観光客の入り込みにつなげる。
北奥997番地にちなみ、 「997村」。 村は、 べんがら塗りの木造2階建ての古民家 (母屋)、 離れ、 木屋、 畑などからなる。 村長は、 同町梶原でそば店 「そばんち」 を営む佐藤勉さん (70)。
丹波市が定住促進の一助にしようと一部改修した民家が空き家になったのを、 佐藤さんが家主から借り受けた。
母屋が、 そば店兼村役場。 そば店は、 「そばんち」 ののれん分け。 「そばんち北奥」 の屋号で、 日野智人さん (53) =同町中竹田=が独立開業、 予約制で、 昼と夜、 和食を交えたそばコースを提供する。
「村」 は昨年7月に開村。 「そばんち」 で村民を募っている。 最大99・7人まで募る予定で、 すでに50人以上が村民に。 作業日を設け、 村民が、 畑の草刈り、 家の改修、 木屋の片付けなどを手伝っている。
村民は無料で泊まれたり、 そばを特別価格で味わえるなどの特典がある。 年貢は100円だが、 村の整備が進み利便性が高まるに連れ、 年貢を増やし、 維持費にあてる。
「都市部の人がここを実家として泊まって、 畑をやったり山歩きをしたり楽しんでほしい。 そば店は予約制だが、 地元の人と村民は気軽に来られるようにし、 食事を提供できないかと考えている」 と佐藤さん。
日野さんは、 「そば店を守ることが、 村の発展につながっていく。 しっかりやっていきたい」 と話している。