丹波焼最古の登り窯を修復へ 当時の築窯方法で 今田町の地域団体

2014.05.04
ニュース丹波篠山市

近日、 修復作業に取り掛かる丹波焼最古の登り窯と、 中心になって修復作業を進めていく実行委員会の大上実行委員長 (写真手前) と清水理事長=篠山市今田町上立杭で

篠山市今田町上立杭にある丹波焼の最古の登り窯を修復しようと、 このほど、 兵庫陶芸美術館や丹波立杭陶磁器協同組合、 こんだ薬師温泉、 自治会など、 多くの地域団体が一体となって、 「最古の登窯復興と丹波焼の里活性化推進委員会」 を設立。 丹波焼窯元を中心に、 ボランティアらと協力して修復を進めるほか、 登り窯を核とした丹波焼の里の魅力発信や、 誘客事業を展開していく。 登り窯の修復完了は、 窯が築かれてから120年目にあたる来秋を目指す。

窯の大きさは、 長さ約47メートル、 幅約2メートル、 高さ約1メートル。 傾斜角約15度の東向きの山腹に築かれ、 内部は9部屋からなる。

最古の登り窯は、 1953年に京都大学が行った聞き取り調査によって1895年に築かれたことが判明。 現存する登り窯としては古い姿を残し、 今も使用している現役の窯であるとして、 73年に県の重要有形民俗文化財に指定された。

丹波立杭陶磁器協同組合 (清水昌義理事長) が中心となり、 昨年7月に 「登窯修復実行委員会」 (大上巧実行委員長) を結成。 窯の修復作業は、 築窯技術を次世代に伝える意味合いも含んでいることから、 大上実行委員長をはじめとする伝統工芸士が指導役となり、 「まくら」 と呼ばれる日干しレンガを約3000個作るなどして修復。 当時の築窯方法を極力用いて修復を進める。

今年7月に測量を行い、 今年中に、 トタン葺きの窯の屋根を杉板に葺き替える作業を完了させる。 来年1―3月、 窯を解体し、 11月に修復された窯で火入れを行う予定。 修復費用は約950万円を見込んでいる。

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