篠山市今田町上立杭にある丹波焼の最古の登り窯を修復しようと、 このほど、 兵庫陶芸美術館や丹波立杭陶磁器協同組合、 こんだ薬師温泉、 自治会など、 多くの地域団体が一体となって、 「最古の登窯復興と丹波焼の里活性化推進委員会」 を設立。 丹波焼窯元を中心に、 ボランティアらと協力して修復を進めるほか、 登り窯を核とした丹波焼の里の魅力発信や、 誘客事業を展開していく。 登り窯の修復完了は、 窯が築かれてから120年目にあたる来秋を目指す。
窯の大きさは、 長さ約47メートル、 幅約2メートル、 高さ約1メートル。 傾斜角約15度の東向きの山腹に築かれ、 内部は9部屋からなる。
最古の登り窯は、 1953年に京都大学が行った聞き取り調査によって1895年に築かれたことが判明。 現存する登り窯としては古い姿を残し、 今も使用している現役の窯であるとして、 73年に県の重要有形民俗文化財に指定された。
丹波立杭陶磁器協同組合 (清水昌義理事長) が中心となり、 昨年7月に 「登窯修復実行委員会」 (大上巧実行委員長) を結成。 窯の修復作業は、 築窯技術を次世代に伝える意味合いも含んでいることから、 大上実行委員長をはじめとする伝統工芸士が指導役となり、 「まくら」 と呼ばれる日干しレンガを約3000個作るなどして修復。 当時の築窯方法を極力用いて修復を進める。
今年7月に測量を行い、 今年中に、 トタン葺きの窯の屋根を杉板に葺き替える作業を完了させる。 来年1―3月、 窯を解体し、 11月に修復された窯で火入れを行う予定。 修復費用は約950万円を見込んでいる。