篠山城跡南堀のハス復活に向け アカミミガメを駆除 篠山市

2014.05.18
ニュース丹波篠山市

夏の晴れた日に南堀の岸辺で甲羅干しをするミシシッピアカミミガメの大群

篠山市は、 篠山城跡南堀にかつて咲いていたハスの復活を目的に、 19日から、 ハス消滅の原因とされている外来生物 「ミシシッピアカミミガメ」 の駆除を実施する。 駆除作業は、 カメの専門家らで組織する 「株式会社 自然回復」 (神戸市、 谷口真理代表取締役) に委託。 1日約50個のかご網にえさを仕掛け、 毎朝引き上げてアカミミガメを捕獲する作業を5日間繰り返す。 秋にもう一度、 かご網を仕掛け、 捕獲できるアカミミガメの数が減っているかどうかなどを検証、 今後の駆除対策の材料とする。

かご網の大きさは、 幅56センチ、 奥行き70センチ、 高さ50センチ。 仕掛ける際に網の一部を水上に出しておくことで、 罠にかかったカメが溺死するのを防ぐ構造になっている。

駆除期間中は、 南堀そばの 「南馬出」 にテントを張り、 同社社員が駐在する。 5日間の捕獲数は500匹程度を見込んでいる。 捕獲したアカミミガメは、 須磨海浜水族園の淡水ガメ保護研究施設 「亀楽園 (きらくえん)」 に送り、 そのほかの種類のカメはその場で逃がす。

南堀を覆い尽くすように咲き乱れていたハスは、 多くの市民や観光客らの目を楽しませ、 夏の風物詩にもなっていたが、 徐々に減少。 2006年頃、 ついに消滅した。

佐賀城でも07年に堀のハスが消滅。 佐賀県や佐賀大学などが原因を探り、 09年から、 原因と思われるアカミミガメを駆除したところ、 ハスが復活したという。 市は佐賀大学などに連絡を取って状況を調べたところ、 その環境が篠山と似通っていることなどから、 「アカミミガメ説が有力」 と位置付けた。

市は、 今回の駆除作業をひと通り終えた今冬、 07年からハスの再生活動に取り組んでいる市商工会青年部篠山支部の指導・協力を受けて、 南堀のハスを校内の池で栽培している篠山小学校のハス (種レンコン) を再度移植。 ハスの復活を試みる。

問い合わせは、 市農都環境課 (079・552・1117)。

 

ミシシッピアカミミガメ】北米原産。 幼体時は 「ミドリガメ」 の名で呼ばれ、 縁日やペットショップなどで売られている。 甲羅の長さは、 大きな個体では30センチ近くにもなる。 流れの緩やかな流水域や止水域を好む。 雑食性で、 藻類や水草、 水生昆虫、 エビ、 魚類などを食べる。 幼体は動物食傾向が強いが、 成長に伴い植物食傾向になる。 1回につき2―23個の卵を12―36日の間隔をあけて、 年2、 3回に分けて産む。 寿命は40年程度。 近年、 飼いきれずに捨てられた本種がニホンイシガメなどの在来種を駆逐するなど、 生態系に悪影響を及ぼしているとして、 全国で問題となっている。

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