篠山再生委が「待った」 城東グラウンド改修 市長「一から再考」

2014.05.25
ニュース丹波篠山市

改修工事計画が見直されることになった城東グラウンド=篠山市日置で

2014年度当初予算に計上され、 3月市会定例会で可決された、 城東グラウンド (篠山市日置) の改修工事について、 その必要性などを審議していた、 市民や有識者からなる 「篠山再生計画推進委員会」(中川政和委員長、8人) は23日、「投資的事業の選定に適合しない」 とする意見書を酒井隆明市長に提出。 市は、 6月定例会で工事費などを補正予算として計上する予定だったが、 見送ることにした。 当初予算では設計監理費のみが計上され、 議会では改修に対する大きな反対意見は出なかった。

篠山市内には野球専用球場がなく、 1999年から野球関係者からの要望や市議の一般質問などで取り上げられた。 2012年6月に野球場建設についての一般質問があり、 市は今田グラウンドも含めた野球場整備に関する基本設計書を作成 (業務委託料約73万円)。 その後、 役所内の内部検討会で、 観客席の新設や周辺フェンス設置など、 約1億4600万円の城東グラウンド整備案を採用した。 市は昨年12月の議会全員協議会で、 14年度当初予算に設計監理費 (1200万円) のみを計上。 総事業費は約1億800万円になることなどを説明した。 その後、 3月市会で可決され、 4月25日に 「スポーツ振興くじ (TOTO) 助成金」 の交付が内定したことで、 6月補正予算で工事費 (約1億680万円、 うち市負担約6700万円) を計上する予定だった。

予定事業費が1億円以上の事業については、 同推進委員会に意見を求めなければならず、 5月21日に同委員会を開いた。 事業選定の基準は、 ▽必要性、 緊急性、 優先性がきわめて高いこと▽事業実施で再生計画策定時の収支見通しより悪化するおそれがないこと―。

市は、 「緊急性が高かった耐震工事が終わりつつある中で、 改修は要望が多かった」 とし、 収支見通しについては 「まったく影響がないということはないが、 大きく影響を及ぼさない」 などとして理解を求めたが、 委員からは 「今の財政状況でも優先するというきちんとした説明がない」 「野球関係者にとっても、 中途半端な改修より、 野球専用球場をつくった方が良いのでは」 「ほかの優先すべき事業と比較検討した中でこの事業を選んだのか」 「今の財政状況下で必要やむを得ない事業なのか」 など、 事業を疑問視する意見が相次いだ。

審議後の採決では、 委員長を除く出席委員5人全員が 「適合しない」 に挙手した。

意見書を受け取った酒井市長は 「長年、 市民や野球関係者から要望を受けており、 少しでも市民の皆さんに喜んでもらえればと今の財政状況に見合った改修を提案したが、 客観的に見て、 必要性がないという意見が出されたことを重く受け止め、 一から再考したい」 とした。 林茂議長は丹波新聞社の取材に 「議会は (改修の) 大枠を認めてきた。 再生委員会の意見を受けた酒井市長の思いを踏まえながら、 議員間で協議したい」 と話した。

推進委員会では事業費が1億円以上になったにもかかわらず、 再生委員会開催が遅れたことを指摘する意見も出た。 酒井市長は、 「委員の皆さんの意見はもっともで、 今後、 1億円を超えそうな事業については、 早く委員会にかけられるように考えたい」 とした。

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