国指定文化財、 丹波布の技術を学ぶ長期伝習教室を修了した大谷由美子さん (55) =丹波市青垣町中佐治=が、 自宅の一部を制作工房兼作品展示場 (0795・88・0850) に改装した。 毎週末の金―日曜の午前10―午後5時まで一般公開する。 これまで同施設の修了生が制作用の工房を構えることはあったが、 常設の展示場を持つのは初めて。 「丹波布を全国発信していきたい」 と話している。
丹波布工房 「丹の布」。 大谷さんが代表を務める。 同町寺内出身で、 20年前に青垣にUターン。 4年前に伝承館6期生になり、 卒業後2年間は専修生として技術を磨いた。 今春から、 週に2、 3日伝承館で後輩の指導にあたっている。
築150年の民家を改装した工房は、 母の実家。 「丹波布を織り、 加工品も含め、 産業にしたい」 との思いから、 大谷さんの伝承館同期生の塩野町子さん (神戸市)、 縫製担当ら計7人で立ち上げた。 毎月の会議で意見交換しながら運営する。
販売は小物が中心。 ブックカバー、 ペンケース、 名刺ケース、 がま口サイフ、 布ぎれなど。 クロスステッチが得意なメンバーがいることから、 刺繍が工房の一つの特長になっている。 自身の反物で仕立てた着物や反物を展示している。
6畳と8畳が2間ずつあるゆったりスペース。 機 (はた) を増やす余裕があり、 今後、 伝承館で技術を身につけた後輩を工房の仲間に迎え、 制作場所として使ってもらうことも考えている。
「色んな人が出入りできるようにすることが大切と考えた。 仲間と共に広い視野をもって活動したい。 気軽にゆっくり作品を見たり話をしに来てほしい」 と話している。