不安定な大気の影響で6月12日、 近畿圏は局地的な集中豪雨に見舞われ、 気象庁アメダスによると、 観測地点の柏原で午後4時28分までの1時間降水量が、 6月の観測史上 (1976年以降) 最大となる50ミリを記録した。 また、 柏原で午後3時59分に22・6メートルの最大瞬間風速を記録。 統計開始の2008年以降では6月の最大値となった。
丹波市災害対策室によると、 丹波市春日町東中、 上三井庄で竜巻の目撃情報もあり、 民家の窓ガラスが割れるなどした。 詳細を調査中。
柏原地域では、 直径1センチほどの大粒の雹 (ひょう) を含む強い雨風に襲われた。 道路脇には、 降り積もる雪のように雹がたい積した。 同対策室のまとめ (13日午前11時半現在) によると、 雹により、 市柏原支所の建物正面の窓ガラスの3分の2、 約50枚が破損。 柏原高校でも窓ガラスが2枚割れ、 同町屋敷で民家の玄関ドアガラスが割れた。 このほかにも屋根や窓、 ビニールハウス、 農作物などに多くの被害が出ている模様で、 市が状況を確認している。
大雨の影響で、 国道176号沿いの柏原赤十字病院前付近では一時、 道路が冠水。 2軒 (柏原町下町、 同町北山) が床下浸水した。 氷上町香良の県道では道路冠水により、 車が側溝にはまって横転した。 午後4時10分ごろからJR下滝―柏原駅間で普通列車に最大50分の遅れが出たため、 約900人に影響が出た。
突風により、 氷上町石生の4階建てマンションでは、 外壁の塗り替え工事のために設置されていた足場 (高さ15メートル、 幅10メートル) が、 強風のため近くの電線に倒れかかった。 倒れかかった際、 電線の一部を切断したため、 マンションと付近の住宅が2時間ほど停電した。
篠山市栗柄地区では3センチ以上の雹が降り、 民家の網戸を破ったり、 窓ガラスを割るなどの被害が発生。 また竜巻とみられる突風の影響で、 同地区営農組合の育苗ビニールハウス3棟が壊滅するなどの被害をもたらした。 うち2棟は鉄骨がひしゃげて内部に落ち込み、 ハウスを覆っていたビニールも裂けた。 残る1棟にも鉄骨にゆがみができ、 半分以上、 ビニールが破れた。 また近くにあった農業用資材を置いていた小屋は、 10メートルほど吹き飛んでいた。