兵庫県篠山市上筱見でシイタケを栽培している株式会社テクノワークささみ農場が、 技術提携している株式会社ハルカインターナショナル (岐阜県郡上市) と共同で12月から、 ヒマラヤ山脈南部の国、 ブータンで有機キノコの栽培技術を指導する事業を始める。 同農場の従業員が技術指導に当たる。 ハルカインターナショナルの社長で、 テクノワーク (味間北) の梶原康弘社長は 「循環型で自然農法のやり方がブータンに適していたのでは。 世界へ技術指導に行く篠山の若者の育成にもつながる」 と話している。
ささみ農場は昨秋、 旧百萬石酒造丹波工場の跡地などを利用し、 シイタケ栽培を始めた。 篠山市内の里山整備で出た間伐材で菌床をつくり、 山林内の栽培ハウスで空調設備を使わず、 自然に近い形で栽培。 使用済みの廃菌床は堆肥にしている。 1日に400キロを生産。 大手スーパーや高級レストランチェーンなどに販売している。
豊富な森林資源と清流がありながら、 シイタケの自給率が10%で、 環境保全に力を入れているブータンに、 環境に優しいシイタケ栽培を広めてみては、 と昨年10月、 梶原社長らが在東京ブータン王国名誉総領事館に提案。 今年3月、 ブータンの首相や農林大臣とブータンで会い、 循環型のシイタケ栽培を説明し、 受け入れられた。
国際協力機構 (JICA) が小規模農家の生活向上のための事業として採択し、 約5000万円を補助。 現地のモデル農場で来年1月から、 日本から持ち込んだ菌床で栽培。 3月からは現地で菌床を製造しキノコを栽培する。
来春から、 同農場農産部の澤山健治さん (43) =市野々=がブータンに派遣され、 水の管理や電力、 森林環境、 林道などを調査。 技術指導にあたる。