ブータンで椎茸栽培指導 自然農法を世界へ テクノワークささみ農場ら

2014.11.09
ニュース丹波篠山市

ブータンに派遣される澤山さん

兵庫県篠山市上筱見でシイタケを栽培している株式会社テクノワークささみ農場が、 技術提携している株式会社ハルカインターナショナル (岐阜県郡上市) と共同で12月から、 ヒマラヤ山脈南部の国、 ブータンで有機キノコの栽培技術を指導する事業を始める。 同農場の従業員が技術指導に当たる。 ハルカインターナショナルの社長で、 テクノワーク (味間北) の梶原康弘社長は 「循環型で自然農法のやり方がブータンに適していたのでは。 世界へ技術指導に行く篠山の若者の育成にもつながる」 と話している。

ささみ農場は昨秋、 旧百萬石酒造丹波工場の跡地などを利用し、 シイタケ栽培を始めた。 篠山市内の里山整備で出た間伐材で菌床をつくり、 山林内の栽培ハウスで空調設備を使わず、 自然に近い形で栽培。 使用済みの廃菌床は堆肥にしている。 1日に400キロを生産。 大手スーパーや高級レストランチェーンなどに販売している。

豊富な森林資源と清流がありながら、 シイタケの自給率が10%で、 環境保全に力を入れているブータンに、 環境に優しいシイタケ栽培を広めてみては、 と昨年10月、 梶原社長らが在東京ブータン王国名誉総領事館に提案。 今年3月、 ブータンの首相や農林大臣とブータンで会い、 循環型のシイタケ栽培を説明し、 受け入れられた。

国際協力機構 (JICA) が小規模農家の生活向上のための事業として採択し、 約5000万円を補助。 現地のモデル農場で来年1月から、 日本から持ち込んだ菌床で栽培。 3月からは現地で菌床を製造しキノコを栽培する。

来春から、 同農場農産部の澤山健治さん (43) =市野々=がブータンに派遣され、 水の管理や電力、 森林環境、 林道などを調査。 技術指導にあたる。

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