南極マラソン3位「シャツ、手袋凍り始めた」 山南の岡崎さん

2014.12.07
ニュース丹波市

南極マラソンで世界3位となり、 表彰台に上がる岡崎さん (右端) =南極で

兵庫県丹波市山南町谷川の自営業、 岡崎健一さん (39) が、 11月20日に南極で行われた 「アイスマラソン」 の100キロの部に出場し、 出場6人中、 世界3位でゴールした。 最低気温マイナス27度、 最大風速30メートルという吹雪の中での過酷なレースを17時間34分48秒で走りきり、 日本人2人目という快挙を成し遂げた。 「思っていた以上に身の危険を感じるレースで、 とにかく必死だった。 人間やればできると改めて感じた」 と充実感をにじませている。

アメリカや欧州など16カ国53人がエントリーし、 日本人は岡崎さんのみ。 100キロ、 フルマラソン、 ハーフの3部門があり、 100キロの部には8人が申し込んでいたが、 2人が辞退。 南極点の近くに設けられた10キロの周回コースを10キロ周走った。

ゴーゴーと雪まじりの風が音をたてて吹きぬける中、 滑りにくいスノーシューズ、 フェイスガードにゴーグルの装備でスタート。 1周ごとに本部テントに入り、 給水や休息をしながら走った。

1、 2周は順調に走ったが、 3周目あたりから汗を含んだシャツ、 ゴーグル、 手袋などが凍り始めたという。 4周目に本部テントで着替え、 再スタート。 ここまで4位につけていたが、 6周目で前を走るノルウェーの選手を抜き、 3位につけた。

ペースの違いと視界の悪さからレースはほぼ一人旅。 スタッフがスノーモービルで巡回しているものの、 「天候が厳し過ぎて、 ずっとつらかった。 雪に埋もれてそのまま動けなくなるのでは、 という恐怖を感じながら走っていた」 と振り返る。

8周目、 本部テントで選手の健康状態をチェックしていたドクターから 「しっかり食事をとり、 休め」 と注意を受けた。 その時点で2位との差は1時間半ほどあったため、 「順位よりも命を守れという判断だろう。 天候が荒れていたので、 主催者側も選手の健康に神経質になっていた」 という。

9周目でもドクターの判断で30分ほど休息。 最後の1周は、 「日本で応援してくれているマラソン仲間のこと、 これまで練習してきた日々を思うと、 ゴール前では泣けてきた。 でも、 その涙が凍ってきて」 と笑う。 厳しい環境に耐え、 無事にゴール。 「出場することを仲間に宣言してきたので、 ゴールした時はまず、 安堵感があった」 と言う。

22日には快晴の中で表彰式が行われた。 「すばらしい経験ができたのは、 誇り。 実績のあるマラソンランナーは世界中にたくさんいるが、 その中で3位になり、 表彰台に上がれたことはうれしかった。 準備を含め悔いはない」 と話している。

来年3月にはサハラ砂漠 (ヨルダン) を7日間で250キロ走るマラソン大会にもエントリーしている。 岡崎さんは、 加古川市と三木市に住むマラソン仲間2人と一緒に、 3人が常に25メートル以内で行動するという制限がついた団体戦に出場する。 「次は優勝したい。 悔いのないよう準備したい」 と意気込んでいる。

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