兵庫県が今年度から始めた狩猟知識や技術を習得する講座を受講中の農業、 日原広宣さん (49) =丹波市山南町大河=がこのほど、 講座で勉強した手作りのわなで初めてイノシシを捕獲した。 初めての獲物は体重90キロ近くある大物。 日原さんは、 「初の獲物はうれしい。 仕掛ける場所を決めるのが難しく、 まだまだ知識と経験が必要」 と話している。
県の有害鳥獣捕獲入門講座 「狩猟マイスター育成スクール」 は昨年10月にスタートし、 今年12月まで月2回、 わな猟や銃猟、 野生動物の解体や調理について座学や実習を重ねる。 県内から28人、 丹波市からは日原さんと、 もう1人が受講している。
日原さんが仕掛けたのは、 同講座で学んだ 「くくりわな」。 丸く円にしたワイヤーの中に獲物が足を突っ込むと、 バネが弾いてワイヤーで足をくくったように締まる仕組み。 材料の多くはホームセンターで2000円まででそろい、 作り方も簡単という。 日原さんは、 同町梶、 井原など計4カ所に仕掛けた。
受講したのと同じ時期に市猟友会に入会。 実習のつもりで年明けから仕掛けたが成果が出ず、 猟友会のベテラン猟師や、 講座の講師に何度もアドバイスを求めた。 日原さんは、 「私自身、 農業をしていて必要にせまられた。 農業と狩猟はセットで考えるべき。 猟友会も高齢化している。 我流では間違った知識がトラブルにつながる。 正しい知識と技術を持った人が増えていけば」 と話している。