酒井氏無投票で3選 篠山市制施行後初の「無投票」

2015.02.12
ニュース丹波篠山市


 任期満了に伴う兵庫県の篠山市長選が2月8日、 告示され、 現職の酒井隆明氏 (60) =岩崎=のほかに立候補の届け出がなく、 無投票で3選を決めた。 25日から4年間の3期目に入る。 同市長選の無投票当選は1999年の市制施行後初となる。

 

 10日、 酒井氏は3選を決めて初めて登庁した。 職員から花束を受け取った後、 市職員約250人を前に、 「また、 市役所に戻って一緒に仕事ができてうれしい。 引き続き篠山再生に取り組んでいきたい。 篠山ならではのまちづくりで世界に注目されるまちに向けて、 力を合わせていきましょう」 と述べた。

 酒井氏は、 「世界の皆さんこんにちは」 をスローガンに、 篠山の魅力を市内外にPRすることや、 着実な財政健全化、 若年層の定住促進などを訴えていた。 具体的には、 ▽篠山再生計画の着実な実行▽市長給与と退職金の削減▽三世代同居の新築に助成や3子目以降の出産祝い金、 篠山らしい新築・改築の支援▽ごみのポイ捨て禁止を全市に広げる▽全国モデルとなる野生動物との共生を図る取り組み―などをあげていた。

 これまでの市長選の立候補者数は、 1999年2人、 2003年2人、 07年3人、 11年2人だった。 16日に当選証書が付与される。

 

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財政再建と定住促進

出産助成を前倒しに

 

市長抱負を語る】 3選を果たした酒井氏は10日に記者会見し、 3期目への抱負を語った。

 

 ―3期の県議、 2期の市長を通して、 初めての無投票当選だが

 一定の評価をしていただいた結果だと思っている。 安堵の反面、 主張を訴える機会がなくなり残念。

 ―3期目の抱負を

 引き続き財政再建を続け、 ガラス張りの市政を心掛ける。 また、 魅力を生かしたまちづくりと若い人の定住を促進する。 当初予算は継続事業のみの 「骨格予算」 で新規事業は6月に示す。 国の地方創生交付金を利用し、 市内での出産助成や第3子以降の出産祝い金、 不妊治療の助成などは3月に先行して予算化したい。

 ―財政再建の具体策は

 4年間で安心できる一定の目途を目指す。 緊縮しながら、 必要な事業には投資したい。 普通交付税の 「一本算定」 が緩和しつつあるので、 その財源で削減してきた職員の給与を復元したい。 市長の給与、 退職金は引き続き削減したい。

 ―ユネスコ創造都市ネットワーク加盟への具体策は

 専門家からの指導で申請を手直ししたり、 事業を見直したい。 国際的な貢献をしつつ、 市民への理解を進めたい。

 ―定住促進策は

 重点地区を指定し、 3年間支援してきたことは基本的に継続したい。 学校の統廃合で地域から学校がなくなる地域には、 地元と一緒になって活性化策に取り組んでいきたい。 重点地区の市営住宅には子育て世帯が優先して入居できる枠を設けたい。

 ―乗車率の低いコミバスの改善策は

 一番便利な路線バスを維持しつつ、 コミバスは必要な地域とそうでない地域を見極め、 必要な地域に便を確保したい。 バス停以外でも乗降可能にしたり、 料金の見直しを検討したい。

 

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