1日に兵庫県篠山市内で行われた 「第35回篠山ABCマラソン」。 スタートからフィナーレまで雨、 気温も低いという悪条件の中で8264人のランナーが篠山を駆け抜けたが、 マラソン終了後、 インターネットサイトのマラソン評価では、 過去最高となる90・4点を獲得。 高評価の背景には、 会場や沿道で活躍した篠山市民ボランティアへの感謝がつづられていた。 35年にわたって篠山で築かれてきたランナーおもてなし文化。 マラソンブームの中にあって、 「都市部の大会よりも、 篠山マラソンが大好き」 という声も上がっている。
「冷たい雨の降る中、 沿道で応援してくださった方々に頭が下がる」 「子どもたちにもらったチョコがとてもおいしく、 力になった。 ありがとう!」 「かじかんだ手でチップを回収してくれた学生スタッフに感謝」 「吹奏楽の応援、 燃えました」 「黒豆のおにぎり、 しし汁、 そして、 ラストのお帰りコール。 感謝、 感謝のゴールでした」 「お年寄りから小中学生まで総出の応援。 これこそ篠山マラソン」 ―。 サイト内のレポートでは、 篠山マラソンを称賛する声が相次いで投稿されている。
サイトは、 マラソンなどの陸上競技のポータルサイト 「ランネット」。 ランナーのレポートコーナーで、 ▽事前の情報発信▽会場の作り▽コース内容▽記録や表彰▽全体の感想―などで大会を評価する項目があり、 書き込みをしている約90人の評価平均が90・4点となっている。 これまでの最高は32回大会の86・1点で、 初めて90点台に乗った。
大会当日は近年まれにみる悪天候。 低体温症になるランナーも続出する厳しいレースだったが、 そんな中にあっても変わらない沿道の声援や、 献身的な市民ボランティアの活動に心を打たれた参加者が高評価をつけている。
中には、 低体温症になったときに沿道の人からジャンパーをかけてもらって助けてもらったという男性も。 その後、 ジャンパーを着たまま搬送されたことから、 感謝の手紙と沿道の人の似顔絵を添えて事務局にジャンパーを送付している。
沿道で雨やチョコレートを配った佐々木悠介君 (味間小6年) は、 「雨で大変だったけど、 『ありがとう』 と言われ嬉しかった。 ランナーが元気になると思うとやりがいがあった」 と言い、 小林青空君 (城南小5年) は、 「寒さも吹き飛ぶくらい楽しく応援できた。 雨の中を走っているランナーの力になれてうれしかった」 と笑顔で話す。
ランナーとして参加した青空くんの父、 保雅さんは、 「子どもたちにとっては、 地元で行われる大きな大会に関わることで篠山の良さを知る良い機会。 自分たちの応援で頑張れたと言ってもらえる喜びや感謝の言葉をかけてもらう充実感を得て、 一人ひとりが篠山っ子としての自信や誇りを得られたのでは」 と話した。
大会事務局は、 「ランナーの健康増進はもちろんのこと、 市民のみなさんがランナーから評価を得て、 自信や誇りにつなげてもらうのが大会の大きな目的。 ランナーの評価を多くの方に知ってもらいたい」 と言う一方、 「交通規制やゴミ、 トイレなどの面でまだまだ課題はある。 次回に向けてさらに改善していきたい」 と話していた。