兵庫県丹波市が2013年度に発注した消防自動車購入の入札をめぐり、 事前に予定価格を業者に教えたとして官製談合防止法違反などの罪に問われた市消防本部元係長 (同本部総務課付) の松尾恒伸被告 (47) の公判が3月10日、 神戸地裁であった。 これとは別に、 消防車積載用ボンベ購入の見積もり合わせで、 本来契約すべき業者と違う業者に見積書を再提出させたとして起訴された審理も行われ、 松尾被告は起訴事実を認めた。 検察側は懲役1年を求刑し、 弁護側は罰金刑か執行猶予付きの判決を求めて結審した。 判決は3月25日。
検察側は 「入札等の公正を害すべき行為であり、 責任は重大」 と指摘、 弁護側は 「上司の指示に逆らえず、 精神的プレッシャーが重なったことによるもの。 他に動機もなく、 何ら利益も受けておらず、 悪質性に乏しい」 と情状酌量を求めた。
公判で松尾被告は、 12年度に行われた水槽付化学ポンプ車の入札が予定価格超過のために再入札になったことを当時の消防長から 「設計価格の精査が足りない」 などと叱責されたことをあげ、 「設計価格を教えることが不正だという認識はあったが、 もし1回で落札者が出なければどうしようという不安感が大きくなった」 と答えた。 業者への工具セットの要求は、 「価格を教えた見返りという意識はなく、 消防本部内で使うつもりだった。 思い直し、 受け取ってはいない」 とした。
また、 ボンベ見積書の差し替えは、 当時、 直属の上司だった谷口直副課長 (51) から大声で叱責されたり、 休日に呼び出されて書類の訂正を求められる、 無視されるなどの扱いを受けていたことから強いストレスを感じていたとし、 「(谷口副課長からの) 圧力があったが、 軽卒だった」 とした。
元副課長初公判 起訴内容認める 消防ボンベ購入不正
丹波市消防本部が2013年に行った消防車積載用ボンベ購入の見積もり合わせで、 本来契約すべき業者と違う業者に見積書を再提出させ、 契約したとして官製談合防止法違反などの疑いで在宅起訴された同消防本部元副課長の谷口直被告 (51) の初公判が3月10日、 神戸地裁であった。 谷口被告は、 起訴内容を認めた。
検察の冒頭陳述などによると、 同被告は、 見積もり合わせで、 2番目に安い見積額を提出した業者に、 当時の係長に最も低くなる額で見積書を再提出させるよう指示し、 この業者と契約を交わすなど、 公正を害すべき行為を行ったとされる。
次回公判は3月30日。