篠山市会の補正予算特別委員会(18人、園田依子委員長)全体会が4日行われ、補正予算案に盛り込まれている空撮用マルチコプター購入費(約135万円)について、「時期尚早」などとして購入費用を盛り込まない修正案が提出され、購入の賛否が分かれた。討論の後、7人が修正案に賛成。原案多数で可決された。19日の本会議で修正案が再提出され、採決される。
市の提案は、空撮用マルチコプター2基を購入するもの。日本遺産の認定根拠となったデカンショ節に唄われている「構成文化財」や、名所旧跡を空撮し、案内プレートをスマートフォンでかざすと空撮映像が映し出される仕組みに主に利用する。
同委員会では、小型無人機「ドローン」が4月に首相官邸に落下し、運行ルールの法整備が検討されている現状で市が率先して行う必要性や安全性の考え方などについて酒井隆明市長に質問が出た。酒井市長は「日本遺産に認定され、情報を発信する上で空撮が効果的だと思う。国のルールをもとに十分な安全対策を講じたい」と答えた。
また、1基60万円の機種選定について、「業務使用なので安全性のあるもので、映像を撮る目的に使うことからも一定のレベルが必要」(植村富明・総務部長)、具体的な活用法について、「篠山城跡や車塚古墳、名木などを1分間ほどの映像にまとめる時に鳥瞰(ちょうかん)の風景はPRに有効」(同)、安全対策の内容については「国のルールを順守し、他市でも検討されている条例による規制を検討。市独自のガイドラインをあらかじめ制定し、安全手順と市民の利用の指針となるものを早急に策定したい」(同)とした。
木戸貞一委員、恒田正美委員とともに購入を認めない修正案を提案した大上磯松委員は「議員協議で『もう少し議論が必要』『市の直接運用に疑問』『日本遺産の取り組みは始まったばかりで時期尚早では』の意見が出たこともあり、使っていくことは反対ではないが、時期尚早では」と提案理由を述べた。さらに1人の委員が修正案への賛成討論を述べ、表決の結果、修正案は否決され、原案が可決された。
また、隅田雅春委員、前田えり子委員、小畠政行委員が安全対策への配慮などを理由に、「購入に際してガイドラインの作成や手法など、安全確保に向けて十分な検討、対策を講じること」とする附帯決議案を提案。賛成多数で可決した。