兵庫県丹波市春日町野村の畑で倒れていた89歳の女性が1日、熱中症と見られる症状で死亡するなど、連日の暑さで熱中症疑いでの救急搬送が急増している。丹波市消防本部は今年度、3日までに30人を救急搬送した。8月は1―3日で13人と、7月ひと月分と同数に達した。水分、塩分補給などの対策を呼びかけている。
30人中、75歳以上の後期高齢者が15人、85歳以上が9人と、後期高齢者の中でも年齢が大きい人の搬送が多い=グラフ。
地域別は、春日10人、氷上8人、市島4人、柏原と青垣各3人、山南1人、その他1人。男性17人、女性13人。
同市柏原町柏原の最高気温が37・1度と今年一番の暑さとなった1日は▽午前8時台=氷上の83歳男性▽11時台=春日の81歳女性▽午後零時台=死亡した春日の女性▽午後4時台=青垣の60歳男性、市島の65歳男性▽午後9時台=舞鶴若狭自動車道上の40歳男性―と1日で6人を搬送。2日は4人、3日は3人だった。
市消防本部によると、2008年度に統計を取り始めて以降、熱中症救急搬送患者の死亡は初めて。今年はほかに、3週間以上入院の重症が1人、中等症(1日以上の入院)が6、7人出ているという。
7、8月の熱中症搬送は、13年度が最多。7月21人、8月22人だった。昨年度は、7月12人、8月8人と少なかった。
片山覚柏原赤十字病院院長は、「こむら返りが起こったり、熱がこもったり、食事が喉を通らなくなったり、気がつかないうちに悪くなっている。水分と塩分補給に加え、体力が落ちた高齢者は35度を超えるような日は、冷房の効いた部屋で過ごして体に熱がこもらないよう予防することも大事」と話している。