今月17、18の両日、篠山春日神社(兵庫県篠山市黒岡)を中心にした城下町一帯で営まれる同神社秋季例大祭。まちを巡行する鉾山の一つで西町の「鏡山」でかつて使用されていたのぼり旗が見つかり、住民の手で保管されている。少なくとも165年前の江戸時代には使われ、使用されなくなってほぼ100年が過ぎているとみられる旗。住民らは、「西町にとっては『世紀の発見』。大切に保管して、次世代に伝えていきたい」と話している。
のぼり旗(縦170センチ、横80センチ)は、赤い生地の上に糸を使って「鏡山」の文字が書かれている。まるで筆のような筆致は、豪快で力強い。
地域住民によると、江戸時代の嘉永3年(1850)に書かれたとされる「篠山春日神社図」に巡行する鉾山が描かれており、その中にある「鏡山」の鉾頭には、今回見つかったものと同じものとみられるのぼり旗が立っている。
明治43年ごろの写真には、のぼり旗の代わりに装飾された鏡が立てられており、のぼり旗は先導する人が掲げている。
絵図、写真ともに発見されたのぼり旗と筆致が似通っていることから、同一のものと考えられる。現在は鏡も外され、同地区で保管・公開している。