カードケース鹿革使い開発 氷上高校課題研究班

2015.10.18
ニュース丹波市

 氷上高校の課題研究班「獣の恵み班」(15人)が、丹波産シカの革を使ったカードケースを製作した。食肉以外には産業廃棄物として処分される部分が多いシカの有効活用として取り組み、2年がかりで製品化にたどり着いた。“地域の課題解決につなげたい”という思いで製作したカードケースは、同校職員や生徒に販売。量産できるようになれば、一般販売することも考えている。

 カードケースは名刺や定期券が入る大きさで、黒、茶、赤の3色。強度を持たせるため、牛革に鹿革を貼り付けて縫い合わせた。ケースの後ろには、花柄など思い思いのデザインを施している。

 シカ肉加工会社「丹波姫もみじ」の柳川瀬正夫社長によると、近年、野生動物による農林業被害が全国的に深刻化。シカは食肉にできるのは1頭で3分の1ほどで、残りは埋め立てや焼却など廃棄処分となり、環境悪化や焼却費用への対応が課題になっているという。

 昨年4月、丹波姫もみじらでつくる「鹿加工組合丹波」が、駆除したシカを丸ごと利用する「シカ有効活用処理施設」(氷上町谷村)を建設。これを受け、同班は鹿皮を活用した革製品の製作を検討した。

 

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