希少ルリミノキ地元有志見守る 春日・日ケ奥渓谷に自生

2015.11.14
ニュース丹波市

県内では日ケ奥渓谷のみに自生する希少なルリミノキ=兵庫県丹波市春日町多利で

兵庫県レッドデータブックでAランクに指定され、県内では日ケ奥渓谷(丹波市春日町多利)にだけ見られる希少植物「ルリミノキ」を、地元の有志が大切に見守っている。以前は同渓谷に多く自生していたが、近年は数が減っているという。有志の一人で、元高校理科教師の仲井啓郎さん(81)は、「特殊な環境でのみ生育する貴重な植物。実が落ち、数が増えることを願っている」と話している。

同渓谷の渓流沿いに自生。「青垣いきものふれあいの里」の調査では、昨年末に27本確認したが、仲井さんによると、枯死したり、持ち去られたこともあって少なくなっているという。

アカネ科の常緑低木で、高さ1・5メートルほど。常緑樹林の渓流沿いなど湿った場所に生育し、5月下旬から6月上旬にかけ白い花を咲かせる。11―12月に直径5ミリほどの瑠璃色の実を付けることから、ルリミノキと名づけられた。

関東以西の本州、四国、九州、沖縄県に分布し、兵庫県の調査によると、かつては淡路島や姫路市などでも見られたが、現在は県内では同渓谷だけになっている。

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