丹波乳業に市民発電所 「氷上低温殺菌」応援団が企画

2015.12.24
ニュース丹波市

丹波乳業の吉田社長と「みんなの低温殺菌牛乳協会」の支援で工場の屋根に設置予定の太陽光パネルの一部=兵庫県丹波市氷上町石生で

「氷上低温殺菌牛乳」を製造する丹波乳業(兵庫県丹波市氷上町石生、吉田拓洋社長)を応援しようと、同牛乳の購入者らが一般社団法人「みんなの低温殺菌牛乳協会」(神戸市灘区)を立ち上げ、活動の一つとして、同社工場の屋根に太陽光パネルを設置する取り組みを始めた。宝塚市の市民発電所を誘致し、安価な電力によって同社の電気料金を低減させるとともに、クリーンエネルギーと関連づけることで、同牛乳のファンを増やし、丹波乳業の経営を支えようという珍しい活動だ。

4月に発足した同社団は、1985年に旧氷上郡酪農農協が製造を始めた「氷上低温殺菌牛乳」を共同購入していた阪神間や豊岡市の消費者グループら10団体で組織。同牛乳は、安全な牛乳が飲みたいとの消費者グループの要請で誕生した経緯があり、メンバーには、乳牛に与える飼料について酪農家と意見交換するなど、同商品の誕生に直接携わった「生みの母」らがいる。

発電所の発案は、同社団の理事で、宝塚市で市民発電所を運営する非営利型株式会社「宝塚すみれ発電」代表の井上保子さん。井上さんが理事を務める宝塚市のNPO法人に、大阪の市民団体が市民発電所に使っていた中古パネル活用の話が舞い込み、同社団に丹波乳業への設置を提案した。

パネルは約30ワット分。「宝塚すみれ発電」が丹波乳業の屋上を借りて発電し、同社に直接供給するしくみ。「すみれ発電」の電力価格は15円程度、関西電力より安く、「差額」が直接同社の支援になる。

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