環境省が、さまざまな命を育む豊かな里地里山を次世代に残していくべき自然環境の一つと位置づけ、全国で500カ所を選定した「生物多様性保全上重要な里地里山(略称・重要里地里山)」に、兵庫県丹波地域から唯一、丹波市青垣町遠阪地区が選ばれた。遠阪小学校の川のいきもの調べの環境学習や遠阪地区住民の環境保全活動が評価された。
選定理由は、周囲を囲まれた丹波市北部の山間部にあって、加古川源流の遠阪川流域を中心に田畑が広がり、モザイク状の土地利用形態を生かして農林業が古くから行われ、良好な里山の生態系を保持。ヒメボタル、ゲンジボタル、セツブンソウ、クマガイソウ、イチリンソウ、アズマイチゲなど里地里山に特徴的な動植物の生息・生育が確認されている―というもの。
遠阪小学校の環境省のESD(持続可能な開発のための環境教育プログラム)としての川の生き物調べ、自治協議会が主催するヒメボタルとゲンジボタルの観察会、セツブンソウまつりの開催、アサヒビール西宮工場と提携し、「遠阪アサヒの森」として間伐や遊歩道の設置など里山保全活動などに取り組んできた。また、校区内にある丹波市立青垣いきものふれあいの里は、自然観察会など季節ごとのイベントを開催し、地域の環境教育の拠点となるよう取り組んでいる。